邪気清掃 - バケツとモップで
レンが掃除を手伝い、掃除が完了したようだった。
彼…レン・オーブライトは腕の宝珠を掲げて祈るように目を瞑った。
「ラ…ローラ、後は頼む。」
凛々しく任せた後、空気が揺れたのを感じる。
感じたことのない力の波動、キャロスさんの言う空気の揺れる感覚かもしれない。
掃除で床に流れていた水が、汚れとともに浮き上がる。
それは光を反射し、触手のようにまとまりレンの周りに存在した。
ローラと呼ばれた人は。こちらに歩いて外に向かう。
私とおばあさんの横を通っていく。
えっ?って二人して口をあけっぱなしにしていたと思う。
するとバケツが浮きその後について行った。
カチャっと音がした。
裏でバルドさんが"乾いた"モップを片付けていた。
私はまさに、何が起こってるのかわからなかった。
レンが手を前にかざす。水は水龍のようにバケツに戻っていく。
空気を切り裂き、その濁った水の線は光りながら注ぎ込まれていく。
「え…嘘!綺麗…。まるで光の糸みたい…」
水は汚いのに、どこか幻想的だった。
ローラさん?が外にバケツを持って出た。
明らかにバケツは傾いた気がしたが、
水は固定されてこぼれる気配すらない、魔法なしではあり得ない光景だった。
私は茫然としていた。
「なんじゃありゃ」
おばあさんも不思議そうにしていた。




