助け船
鍛冶屋さんは私の服の素材を確認し燃えたりしないかチェックをしていた。
「触った感じは、私の服と全く同じだな…問題なさそうかな。」
私はそれでも疑問だった、見た目も触り心地もイメージと同じだ。
しかし、実態は得体のしれない魔法服。
この服で問題ないのだろうか。
「あの…実は今日頂いた魔法服を着ているんですが、
それが変化して自然に鍛冶服になったんです。
働きたいのは本当なんですけど…問題ありませんか?」
それを聞いた鍛冶屋さんは非常に驚いた顔でこちらを見てきた。
私もこんな服聞いたことがないしおじさんもそうだったのだろう。
服について小声で呟き悩んでいるようだった。
「ふむ…変化型の魔法服か。珍しいものを見たなぁ。
…いや、見た目だけではなく何か機能があるのかもしれん…」
この服について何か知っているのかな。
私は返答を待っていた。
その間に私は仕事の後はどうしようか考えていた。
泊めてもらおうか、食事はどうしようか。
…ここがどこかも分からないのに、決められるはずもなかった。
私は恐怖が沸き上がってくるのを感じた。
震えた声で、思わず考え中の鍛冶屋さんに言葉をかける。
「すみません、私。今日のご飯にも困ってて。
きっと、すぐにでも働かないといけないんです!
私どうすればいいの…。」
焦った様子の日葵を見て、鍛冶屋は優しく返答した。
「すぐに働かないといけない事情があるのなら、今日1日働いてもらおう。どうかな?」
笑顔で話を聞いてくれたことに安堵し、具体的に報酬について聞いてみる。
日葵「はい。お願いします。
働くのでご飯を食べれるだけのお給料と寝床が欲しいです。
それだけの金額を頂けるのでしょうか…。」
つい過剰な要求をしてしまったかもしれない。
そう私は後悔した。
私を心配させたくなかったのだろうか。
鍛冶屋は直ぐに頷いてくれた。
「わかったよ。安心できるできるお給料にするね。
お昼と帰り際にパンや飲み物をあげよう。」
私はその言葉にすごく安心し、感謝した。
「ただ、明日は休みだから別の仕事を"縁の下ギルド"で探すんだよ。」
そうなんだ、明日はおじさんに頼れないんだ。
ギルドって怖いイメージだけどこの人の言うことなら素直に聞いてみよう。
日葵はその言葉を記憶し、元気よく返事をした。
「はい、ありがとうございます!」