夕暮れの抱擁
業務後にあの女の子がやってきて、ギルドの扉をノックした。
私が開けると、何とお花持ってきてくれた。
「ち、違うんです……! お友達になりたくて……!
日葵ちゃん!
綺麗なお花をもらったんですけど、このギルドに似合うかな。
貰ってくれると嬉しいです!えへへ…」
突然の訪問に驚くも、すぐに切り替えて笑顔で受け取る。
私はギルドの顔の一つだし、素直に嬉しいから。
昔の友達を思い出し、少し胸が温かくなった。
「ありがとうございます!ギルドに飾ります!」
紫と白の立派な花で、香りはほんとに仄かに甘く香るぐらいだった。
これならギルドにおいてもあまり影響はないだろう。
「あの、お名前は…?」
私はうかがうように聞くと彼女は笑顔で答えてくれた。
「私、アリッサ・オブライン。よろしくね日葵ちゃん!」
私もつい個人として返事をする。
「うん!」
その花は変わった組み合わせではあった。
白と紫の花が重なるように寄り添っている。
私はそれを見て、なぜだか魔女さんと
和解する姿が思い浮び、すぐに頭から消した。
(こっちでもお友達ができてよかったね!日葵!)
フラリスさん、今は話してる最中…。
お友達のお友達だね!




