入りたてですが、提案します。
朝、私はすんなりと目を開けて体を起こし、背伸びする。
体に違和感はない。
「ああ、いいなあ」
なんだか、すごく体が回復してる気がする…。
でも、この服はギロチンみたいなものなんだよね…。
心の奥でくすぶる不安に、私は戸惑った。
私は昨日の夜、寝る前の”ヒント”を思い出す。
確かこんな内容だったなと頭の中で確認する。
・現在の状況は絶望的といってもいい。
・魔女をごまかせるのは一時的
・秘密訓練に加えて、何かしないといけない
私はそのヒントに基づいた解決策を考える。
…だめだ、頭が回らない。
まだギルドに勤め始めたばっかりなのに
そんな事言われても私分かんないよ。
私は目をつむり、フラリスさんに会話する。
「ねえ、フラリスさん。」
不機嫌そうに文句を言ってくる。
「人間って寝てる間は動かないからつまんないよ。」
精霊は寝れないから、つまらなく感じちゃうんだね。
「しゃべれなくってごめんね。」
私は一つお願いをしてみる、怒られるかな?
「”ヒント”今、使える?」
私は祈り、体力を少し捧げる。
「!!じゃあヒントね!」
イメージの中に沢山の木の実の山があった。
精霊はお祈りされるのが好きなのかな。
捧げられる体力や精神力が好きなだけなのかもしれない。
「きっとギルドにはいい依頼もあるんじゃないかな?
キャロスさんもすぐ仕事は増やせないって言ってたよね。」
あああ!そうだった!お前の分の仕事をすぐには増やせないって!
けどあれは…本当なのかな。
「仕事が少なそうだったら依頼に参加しちゃえ!
やらないよりお得があるかもよ!」
「様子を見てからなら、大丈夫そうだね。
ありがとうフラリスさん!」
…もしかして、私の殆ど忘れてる記憶まで対象なの?
これがフラリスさんのヒントの本当の利点なのかもしれない。
ヒントのためにお祈りしたら、肩が重い。
体力を捧げるのは、結構疲れるみたい。
私は歩いて1階まで移動する。
1階に行くと、すでにキャロスさんが起きていた。
「キャロスさん、おはようございます!」
「ああ、おはよう。今リーファが朝食を用意してるから、
何かあれば先に行くんだぞ。」
トイレにも行きたいけど、忘れないうちに仕事の確認をしておきたい。
「あの、キャロスさん!
もし私の作業がまだ決まっていないようでしたら、その間は
作業の代わりにギルド依頼を受けてもよいでしょうか。」
キャロスさんは感心したような目で一瞬私を見た後、手を顎に当てて考え始めた。
すこし私は嬉しくなった。
「なるほどな。俺の言ったことを覚えてたのか。
掃除と検品の後は確かにあまりないな。
カウンターは依頼量が増えなければ1人でいいしな。」
キャロスは再び考え込んだ後、条件付きで了承する。
「俺が依頼を見て、許可を出すから
朝の時間が終わったら提案に来てくれ。
ギルドとしての仕事の一環でもあるから
成功したときは、報酬は4割だけ日葵が受け取れ。」
ギルドを抜けて、仕事に行く以上
全額ギルドに入れると思ってたけど貰えるんだ。
「ただし、失敗したときは普通の給料も無しだ。
リスクリターンがあるほうが、面白いだろ?」
今日だけ成果に応じたお給料になるんだ、面白そう!
「お前から提案を話してくれて嬉しかったぞ。
…そうだな、依頼者から受ける仕事の量を増やして、
今後はカウンター業務もできるよう調整してみよう。」
「ありがとうございました!ちょっとお手洗いに行きます!」
果たして、日葵が行くお手洗いの機能とは…!!!




