本-魔法と武器
日葵は本を読んだ。
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目次:
魔法という現象について
魔具について
精霊との対話と注意点
魔力波動について
武具との併用に関する注意点
魔法の訓練について
人間以外の魔法について
---- 魔法という現象について ----
この世界に無数に漂う精霊・神的存在もしくは人工的媒体に対し
祈りをささげることで精神力や体力と引き換えに
様々な事象を発生させることができる。
ただし、すべての精霊・神的存在が無条件に従うわけではなく、善良でもない。
人工的媒体は出力が限られており、用途も限られる。
(応鉱石再現水晶等)
近くに精霊・神的存在・人工的媒体がない場合魔法を使うことができない。
魔法は事象の具現化の形で発現される。
風や火をおこしたり空気から水を生成することもでき、
滑車を回したりといった動力の形での発現も可能だ。
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---- 魔具について ----
媒体経由で特定の魔法を発生させるものを魔具という。
魔具は応鉱石に特定の形状をさせ、祈りにて体力や精神力注ぐことで
精霊の魔法を再現することができる。
その利便性ゆえ、如何に高性能な魔具を量産するかという
研究が盛んにおこなわれている。
応鉱石とは、精霊の力が入った鉱石全般を言い
同じ鉄でも応鉱石であるほうが多少高価になる。
雷や地震等の現象に伴い、普通の鉱石が応鉱石になることもある。
また、精霊自体が宿る宝石や体力や精神力を蓄積する宝石も存在し
高価ではあるが、宝石を利用した特殊な魔具の生成が可能である。
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---- 精霊との対話と注意点 ----
精霊は能力・性格も千差万別、それゆえ見極めが非常に重要である。
例えば水を操る精霊に川の水を鍋に運ぶようにお願いしたところ、
体力を根こそぎ取られた上に鉄砲水に流されてしまった男の童話は有名だろう。
精霊たちは協力してくれるが、時として恐ろしい。
応鉱石があると精霊たちは物理的な箇所が把握でき、
しかも応鉱石を経由すると素早く力を伝達できるため、容易に魔法が発動できる。
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---- 魔力波動について ----
魔力波動とは個人に合わせた魔力の波動だ。
魔力波動が似たものはその個人にとって動かしやすいため
オーダーメイドで作成される服は貴族に重宝されている。
ただ、同じ魔力波動を持つ人間は世界に3人といないため
売却できない使い切りの衣服となり、今では棺桶にまで収めるのが定番だ。
また、魔力波動が似ている人物は同じような病気を患うことが多い。
これが現在注目されており、
事前に病気の特定することや個人の識別が可能かどうか
研究が行われている。
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---- 武器との併用に関する注意点 ----
武器に関しては魔法と同時に使うことは種類によっては非常に難しい。
剣を振りながら魔法を使ったりしてしまえば、
精霊たちが力の発現対象を見誤ったり、
魔法の力に引かれ剣のコントロールを崩す。
ただし、魔法と併用可能な武器や方法は存在する。
例えば弓は矢に応鉱石を使い、魔法を込めれば正確に魔法を打ち込むことも可能だ。
しかし費用がかさむというデメリットもある。
剣などの応鉱石の武器は固定しての練習に向いており、
相手に切っ先を向けての魔法の狙い撃ちが弓と同様に可能だが
特に巨大な武器の場合は工夫が必要となる。
杖には複数の魔具を仕込むことで、特定の魔法を安定再現することも可能である。
一部の達人は魔具と剣のように2つの道具を別々に使いこなすことで
攻撃しながら疑似的に魔法を使っている。
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日葵はあまり時間が長くならないよう、ここでいったん読むのをやめた。
彼女に必要な知識は、まだこの先の項目に眠っている――!




