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精霊との契約
執拗かつ感情に訴えかける提案によって、
契約しないといけないような気がしてしまった。
詐欺師みたいな祠の妖精フラリスの商売トークに屈してしまおう。
心の囁きが声に代わる。
「は、はい。お願いします。ただ、
ちょっと名前が恥ずかしいからヒントって名前で…」
思わず返事してしまった、断れなかった。
「やった!契約だ!
契約したから私から自由に話しかけるけど
私に向かって話すときは目をつむって今みたいに話してね?」
苔むした祠に虹色の光が灯る。
う、うん。
「おまけの初回ヒント!
魔女があなたの両親をうまくごまかしてて、
両親があなたを待ってるから頑張ってね!」
「…え!なんでそんなことが分かるの?」
私、何にも知らないよ!
「魔女から見たらあなたが逃げたときの人質だからだよ。」
そんなこと思いもしなかった。
それを盾にされたら私、どうしよう。
でも待ってくれてるんだ
…また会えるかもしれないんだね、
ありがとうフラリスさん!




