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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
運命の場所で私は"草取り”の瞬間を待つ
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根を張り、身を立たす

午前と午後の仕事が終わった。


夕食を食べながら

キャロスさんがもう一人のメンバであるリーファさんを紹介する。

ブロンドの髪に緑色の服をしていてギルド名を胸に付けている。

彼女の笑みからどことなく母輝美の雰囲気を感じ、日葵は前のめりになった。

「こんにちは、日葵さん。キャロス・リーファです。

 このギルドで秘書官をやっていて協力するキャロスとは夫婦関係なんです。

 こんなに若いのに働くなんて大変だろうけど、真面目そうだし、

 夫の判断なら安心ね。」


すごく優しそうなお姉さんとキャロスさん

結婚していて、私もきっと娘みたいな感じに…。


想像上のギルドは「家族のイメージ」だった。


「その並んでる姿、とってもお似合いです。

 今日からギルドで働かせて頂いてますので宜しくお願い致します。」

どこか固く返事をしているが、内心期待が膨らみ始めていた。


ふとお母さんとお父さんの顔を思い出した。

今頃心配してるかな…。


キャロスさんが何かを思い出し、パンを飲み込んだ後に私に話す。

「そうだ、日葵。

 今日の検品の話を忘れないうちにまた防魔法室に行って

 リストと実物を紐づけて暗記しておけよ。」


「はい、わかりました!」

私に指示をしたのではなく、これは訓練室への誘導だった。

リーファさんは不思議そうな顔をしたが、違和感には触れないことにしたようで

別の話題を始めた。

「日葵さん、精霊に好かれているみたいね。

 目を閉じて、語り掛けてあげたら?」


精霊について学校でも話は聞いたことがある。

魔具ができる前から人間と共生し、魔具と同じように祈ることで人間に手を貸す存在であると。

信頼関係を築かないと体力や精神力をだまして奪おうとするなど

必ずしも人間にとって善といえる存在ではない。

しかし、そのおかげで人類のコミュニケーション能力が向上した。

歴史にそう記載されている存在だった。


私は体力の問題で魔具も使えなかったので、

精霊との対話も避けていたけれど好かれていたんだ…。

「そうだな、目を閉じて話したい精霊のイメージでも思い浮かべるといい。

 もしお互い興味があったら相手からイメージ内に飛んできて、参加してくれるはずだ。

 目を閉じても、俺たちが見てるから安心してくれ。」


日葵はそう言われて目を閉じて思い浮かべて頭の中で声を出す。

「精霊的なものといえば魔具?は違うよね。

森の祠かな。そうだ、あの自宅から見える祠はどうなったんだろう。

あそこに精霊さんはいたのかな、いたなら話してみたいな…。」


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