魔女との契約
ここは、ジャカ大陸の南部 カロル国の西部ペンダ市
ダンジョンベルトの火山に近いこの都市で
一人の少女が両親とともに暮らしていたが、
ある時、呪いにかかりレベル1になってしまう。
そんな少女を両親は魔女の元に運び込み…
「前来たお子さんのレベルが…
おかしいでしょう!」
日葵のレベルが1まで下がっており、医師も常識外のことに混乱していた。
体力は消え失せもはや呼吸するだけ。
呼吸音と医師の震えが空間を支配する中
涙がポツポツと降りこんでくる。
「日葵…どうして…」
何も思い浮かばない中、
日葵の父親もまた動揺していた。
彼は、止まった頭を無理やり動かして思考を開始する。
「こんなの見たことない、そうだあの魔女なら…」
混乱した父親の危険な提案に周囲は反対する。
「やめとけやめとけ!娘さんはあきらめろ!」
「あの魔女は普通じゃない!一家全員魂を食われるぞ!」
「郊外に突然現れたんだぞ?詐欺師に決まってる!」
両親はそんな周囲の反対を無視し、深夜魔女の元に娘を運び込んだ。
布団に包み、丁寧に運ぶ。
…これ以上傷つけないように。
「というわけなんです。日葵を!」
「魔女様、どうか娘をお助けください!」
"きたか、この時が"
魔女はにやりと笑う。ろうそくの炎が顔を不気味に照らす。
「光に触れレベルが下がって危篤…!
それであれば、私の魔具…あの服で身体能力を向上させましょう。」
炎が明るくなり、周囲を照らした気がした。
そこには何の変哲もない服があったが、両親には希望にしか見えなかった。
「ありがとうございます!娘の命は…」
魔女は肯定するが、冷たい言葉を話す。
「それで意識は回復するはずよ。
だがその魔具は貴重、もし改善しなければ私はそいつを見捨てる。
邪魔をしないで。今は帰って、暫く結果を待ちなさい。」