駆け引き開始
キャロスさんの言葉を聞いて日葵は残酷な事実を
突きつけられた。
「服を脱げない、服を壊せない、そんな!」
日葵は悲鳴を上げて、肩を落とした。
キャロスは日葵を支え、部屋の中の椅子に座らせる。
俺が何とかしないといけない。
「落ち着いて聞くんだ、服を脱ぐ方法はある。」
か細い可能性だが、話さないよりましだ。
「…え?」
俺の知識では、成人で作ったオーダーメイドの服を
軍隊でレベルアップしたことで作り替えた貴族がいたはずだ。
「お前の成長が必要だ。
心身共に成長し、レベルアップすることで
お前と服の同期にわずかなずれが発生するかもしれない。
その時がチャンスだ。」
<貴女は成長しなければならない>
日葵は再び絶望に突き落とされた気分だった。
そして沈み込んだ心のまま絶望を込めた反論をする。
「キャロスさん、魔女の言葉を話しましたよね…。
レベルアップしたら殺されるんですよ…!!!」
確かにそうだ、だがそれであきらめて良いのか?
キャロスは冷静な目で私を見て反応する。
「ああ、わかっている。ここを訓練室にするんだ。」
出来ることはやってから嘆くんだ、こうやるんだ。
心の中で彼女を諭しながら、防魔法室を訓練室にするその意味を語りだす。
「ここで訓練して、レベルを上げたとき魔女は把握できないだろ?
毎日物品の確認と掃除を一つ一つ行うよう指示を出すから
1時間ぐらいならここで訓練できるわけだ。
言葉では誤魔化しているからな。」
そして訓練器具のそばにあるレベル計測器を指さす。
「そしてここに正常なレベル計測器を用意して
倉庫の部屋にいじったレベル計測器を用意してだな…」
「それってまさか…」
震えながらも、その声がかすかに上擦る。
「レベルをごまかしておけば、猶予も生まれるだろ?」
キャロスさん…!!
「魔女さんの想定外を…起こせるんです…か?」
「ああ、重要な話は全て防魔法室で話そう」
日葵は少し安心したのか泣き出してしまった。
「うっ、ひっく。わ、わか…わかり」
「あと5分経って、息や感情が落ち着いたら外に出ようか。
どんな服の機能があるか、わかったもんじゃないからな。」
私は一つ気になってキャロスさんに質問をした。
「あ、あなたは一体…?」
「キャロス・ノード、元国定魔術師だ。」
(国定…魔術師…!)




