抵抗する力
私はギルドの仕事準備を行うとともに、
僅かではあるがずっとペンダントに
祈り続けていた。
その間は少しだけペンダントが輝く。
服の中に隠してるけどね。
このペンダントにはどれぐらい力が貯まったんだろう。
(7%ぐらいだね。)
私はそれを聞いて祈りの強度を強めた。
いざ、何が襲ってきてもいいように
準備するんだ!
するとギルドにまたしても訪問者
貴族だった。
…恐ろしい。
これが運命の精霊の差し金。
「今日はマッツェンダさんは
いますかな?」
「もうすぐ来ると思います!」
私は元気よく返事をする。
意外にも高圧的ではないが
何処か欲望を感じる声で返答があった。
「いや、地図が本物であることが確認でき
大興奮です!
健在のダンジョン調査メンバーとともに
攻略させてください!
追加報酬も場合によっては払いますゆえ。
もちろん私はここで吉報を待ちます…ぐへへ」
それを聞いたキャロスさんは
私・レンさん・ローラさんを呼び出した。
そして朝早く来たマッツェンダさんに確認する。
「売ったのはこの方ですか?」
「ああ、ベッチさんに違いねぇ。」
ベッチさんっていうんだ。
確かに話は分かりそうな人だ、さっきと比べれば。
「早速行ってこい。
あれを回収してベッチさんに渡すんだ。」
あれ…宝箱…?
「うちの魔術師と衛兵もつけるので、
温度の高い部屋の捜索も忘れずに…。」
…強敵!
「…しかたない、俺も行く!
マッツェンダさん、一時ギルドを頼む。
無理そうなら休みにしてくれ。
すぐ出発するぞ!」
「いいぜ、追加報酬待ってるぜ!」
キャロスさんがついてきてくれるの?
バルドさんが居ないけど、このギルドの中ではかなりの戦力だ。
「傭兵のオトロラエだ。
剣を的確に差し込み、スキを突くスタイルだ。」
寡黙な剣士、ローブを纏っている。
前衛が足りないから、居てくれると助かる。
「魔術師サモーロル。
色に作用し様々な属性が使える。」
…精霊ごとに原理が異なるんだっけ。
カラフルな投擲道具を持っている。
魔法と投擲、もしかして魔具とも併用するのかな。
3階からすべての装備を持ってきて装着し
彼らとともに「オモテオモテ」に急いだ。
オモテオモテに到着し、
ダンジョンを捜索する。
地図の配置などを確認する。
「間違いなく本物だ。」
ローラさんが説明する。
「気を付けてください。
あちらには温度の高い巣があります。
そちらの蜘蛛の巣の道は
上に切釘蜘蛛の巣があります。」
少し相談した後、二人が判断する。
「蜘蛛の巣の道も後で探索する。
先に進もう。
宝が最優先。」
そして奥の洞窟に到着する。
…宝箱はそのままだ!
ローラさんが以前と同じように探知し
罠がないこと、私も温度が同じであることを確認しふたを開ける。
…金貨の山!あった!
宝箱をダンジョンの外に持ち出す。
サモーロルさんが声を出した。
「私の魔法は体力消費が激しい、
実践をする余裕はないので
今ここで説明する。」
サモーロㇽさんは自身の持つ様々な色の石を取り出す。
そして話した。
「青が冷気、赤が爆弾、黄色が光
、金色が転送、銀色が魔法打消し、
茶色が泥操作、黒が闇物質」
多彩な魔術だ。
レンさんが居れば、水も使えて泥や冷気を使った
連携攻撃も出来そうだ。
「色に対して祈りを捧げる。
適切な色がない時はこの色の付いた石を
投擲して魔法を発動する。」
沢山の石や魔具を持っているのが見えた。
「さて、送る。
金色の付与効果は転送。
先は、ベッチの金庫。」
転送した直後、サモーロルさんが膝をついてしまう。
「転送は大きな体力を使う。
危険な魔法の種類でもある」
キャロスさんの補足だ。
するとサモーロルさんは飲み物を飲んで立ち上がった。
「大丈夫か?強敵前に。」
「問題ない。お前らの能力を見せろ。」
私達はダンジョンに入り、現在の能力を再確認する事
になった。
フラリスも、日葵もいきなりここまで操作が来るとは
予想していなかった。
ペンダントの蓄積率7%は警戒率でもあっただろう。
その進む道の中危険を回避できるのか、
待ち受けるものは一体…




