<完成> - 仕組まれた運命
女は機械の頭の回路を取り出す。
非常に細かい回路だが、すんなり取り除く
事が出来た。
「幸運が重なって、予定よりかなり早く
思考回路を取り除く事に成功したわ
これで私が…」
魔女は祈り、自分の意識を"拡散"する。
普通は気絶するような使い方だが
そんな常識は魔女に常識は通用しない。
<「私が直接制裁できる。
帰還する必要ももはやない」>
機械と人間が同時に喋る。
次に魔女は<軍隊ミニオン>だけでの操作を試みる。
<魔物の魂から強力な力が湧き出ている。
幾らでも魔法が使えそうな、すさまじい力だ。
暫くは魂を刈り、この飢えた魂に
エサを与えるとしよう>
次に魔女はどこで狩るかを考えた。
「そうだな、念には念を入れ
"腐った大地の亡者"を刈るとしよう。
3000という数は、私にとって
大きな魅力だ。」
<もともと私に敵う物はこの時代には
いるとは思えない。
私の力を伝え聞けば、
日葵たちも抵抗を諦めるだろう。>
「国も味方に付けれれば
私は正当化されるはずだ。
そうだ、私は正しいのよ。」
その瞬間、魔女は自分の行動に若干の違和感を感じた。
私はなぜ大地の亡者を刈りに行く?
安全だと判断したはず…。
世の中に姿をさらして、良いのか?
この沸き上がる力、魂を喰おうとする食欲。
止めようにも、止められない。
「近場の魔物を刈り、この操作に慣れ次第、
亡者を刈ることとしよう。」
何処かで透き通るような声が響く。
運命の改変を望んだものを喰らい
幾らでも力が手に入る。
人間ってバカだ。
「アハハハハハハハ!
全部僕のおもちゃさ!」
イへへへへへへ!
次はもっと強く、もっと沢山の危険をぶつけるんだ。
いつ壊れるかな?




