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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
私は背を伸ばし、さらに伸ばし葉もつけて
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幹が太くなる

朝起きた。

もう、目覚めが良すぎるぐらい。

完全に私は覚醒していた。


ストレッチをして、

私はサレットを被る。


これは絶対に外せない装備になりそうだ。

階段で転んで死んじゃうのは嫌だ。


今日は約束があった。

そう、ルーニーさんへのサレット代の

2500クランの返済だ。


私は朝早く、キャロスさんに防魔法室で許可をもらって

レンさんとともに鍛冶屋に向かった。

「ルーニーさんにも魔女の事情は

 話してある。

 安心して恩返しして来い。」

 


鍛冶屋の朝は早い。

きっともう起きているだろう。


私が鍛冶屋の扉の前に立つ

鍛冶場にはすでに明かりがついていた。

ノックをする。


まだ薄暗い中、わくわくしていた。

「おはようございます!」


「おお、どうしたんだね?

 もしかして、まだ何かあるのかい?」

ルーニーさんは困ったようにしていた。

迷惑だったかな。


「あの、ダンジョンの調査が成功したので

約束の件で来ました!」


「えええ、こんな期間でかい?

 ちょっと話を聞かせておくれ」


レンさんと私はルーニーさんに案内されて、

鍛冶場の椅子に座った。


「これが、約束の2500クランです。

 日葵ちゃんも凄く頑張ってましたよ。」

レンさんがお代を差し出す。


「サレットも凄く助かりました!

 無かったら怪我をしていたと思います。

 ありがとうございました!」


そうして2500クランを受け取ったルーニーさんは

嬉しそうに話す。


「支援したつもりだったのに、

 お金が少し増えちゃったな…ははは」


サレットが1800クラン・未返却クランが600クランだから

確かに少し増えている、でも魔法の短刀を渡してくれた分が

恩返しできていない。


「あの、こちらがダンジョンで見つけた杖です。

 つまらないものですが、短刀の代わりに

 魔具の参考になればと持ってきました。

 受け取っていただきたくて…」


…実は今朝、レンさんから使うか聞かれた杖がある。


事情を説明し、魔法の短刀の代わりにルーニーさんの

魔具アイデアの参考にしてもらおうという話になったのだ。

私は死ぬ前に恩を返したかった。


ルーニーさんは少し観察して

手が震え始めた。

「いいのかい

 これはクランに換算して…?

 ふむ…」


そこまで言うとルーニーさんは口ごもった。

こちらをチラッと見た。


そっか、ルーニーさんは事情を知ってるんだね。

きっとキャロスさんが説明したのかな。


「分かった、受け取るよ。

 また何か魔具が出来たら送るから、

 試してくれると嬉しいな。」

ホント!


「いいんですか?

 ありがとうございます!」


「もし装備に不備あれば修理を依頼するので

 その時はお願いします。」

レンさんの剣がすこし曲がっていたのを思い出す。

なるべく修理して使えるといいね!


「ああ、気合入れて修理するよ。

 頑張ってね。」


「ありがとうございました!」


そうして、私達はギルドに戻った。


ギルドに戻ると、朝食に乾パンとミルクが出た。


確かに冒険の時、食べていなかった。

早く食べないともったいないや。


そうして私たちは食事を食べ

借りを一つ、未来的関係にして

ギルドの業務に取りかかろうとした

しかし…

☆若干おまけ☆


もう慣れたかな?

建内日葵です!


ルーニーさんへの恩返し、

ちゃんとホントは生きて恩返しするべきだって分かってるんだ。

今回みたいにモノで恩返しするのも正しくないし

相手に気を使わせるかもしれないっていうのも。


だけど…こうしないといけない気がしちゃって。

それに、なんとなくこの杖は扱い辛い気がしたんだよね。

フラリスさんなら魔法は調整してくれるけど魔具はそうじゃないから。


(…確かにね。

 例えばだけど時の魔法を使えない人がそういう魔具を使ったら

 不可逆になって死んじゃうとかあるらしいからね。

 用途不明の杖って実は危険なんだよ。


 大丈夫、ルーニーさんもそれぐらいわかってると思うよ。

 作る側の人だからこそ回路を外から見て想定も出来るだろうしね。)


つまり、気に病む必要はないって言ってくれるんだよね。

ありがとうフラリスさん。


もし私、一人で誰も見てくれてなかったら

…泣いてたかも。


よし、気持ちを取り直して

私の好きな食べ物について!


もともと少食だから、主食のパンが好きなんだけど。

それ以外で言うと豆類が好きだなぁ。


白豆、黄色、牛乳みたいな味のする油甘豆

豆類の食べ比べだけで毎日楽しめちゃいそうな。

30種類はあるんだよね。


今まで贅沢は言えなかったけど、生きてる間に

全種類制覇したいなってこっそり野望を持ってる。


あと、もし長生きできたなら

私みたいな境遇の子たちを何とか救ってあげたいと思う。

体調が悪くて動きたくても動けなかったり、

命の危険にさらされてる子たちの事。


その為にも、今は頑張らなきゃね。



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