▲(内側会議)▼
私は自室で目を閉じた。
「ごめんね、急に話して」
イメージの森が浮かび上がる。
「どうしたの?」
私は遠慮なく不安を吐露する。
「レベルが20以上になっても、魔力波動はずれない。
あと何日で何レベル上げればいいのか、
これからどうしたらいいかなって。」
2つのドングリがイメージで私の手の中に落ちてきた。
「心配しないで、
私たちが憑いてるから。」
手の中にめり込んでるけど
そのイメージは安心できないよ?
「ありがとう。
魔女さんが回収に来る前に
何とかしないといけない。
わがままかもしれないけど
相談させてほしい。」
「そうとも限らないんじゃない?」
えっ…
「どういう事?」
「レベルが上がり時が来るまでは
"保留"でしょ」
確かに
あの会話ではそこまでは
手を出さない流れになっていた。
あれもテクニックなのかも。
「確かにそうかもしれないけど。」
「誤魔化せているうちに方法を探す。
レベルを上げる、和解する。
それに最悪は…」
「最悪は?」
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実力で時間を稼げ
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「諦神さんも力を貸して
くれないのに、実力で時間
なんて…。」
「無理に勝たなくてもいいよ。
私達みたいに言葉でも戦えるし。」
言葉でも…そうだね。
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状況は正しく把握し
最後まで抗え
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出来ることを全部やって、
色々調べて、
それで運命を待たないとね。
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…
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フラリスさんが援護してくれる。
「日葵ちゃんは出来ること。
私たちはサポート!」
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義は認めるが
やはり人間か。
魔術師の伝手でも
増やすといいだろう。
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何か引っかかりがあるのかな。
魔術師の伝手…でもそれって。
「詳しい人に聞いたら逆に
服が狙われちゃう!」
フラリスさんの反論だ。
キャロスさんもそう言っていた。
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命に関わる服をも
人間は信用できぬ
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結局私達では結論が出なかった。
図書館で調べたら、何か分かるかな。
でも、魔女さんクラスで難しいなら
ただ調べるだけじゃだめだよね。
ともかく、今はレベルを上げよう!
私は寝る前に体を解し、
残った力をあげてヒントだけお願いする。
「ヒントね!」
森の中で大きな木が折れているのが見える。
他の木を見渡してもこれほど大きな木
はまばらにしか生えていない。
「大きな危機が去ったから、
運命の精霊も暫く手出しできない。
魔女も足止めできてる。」
確かにしばらく難しいだろう。
油断は禁物だけどレンさん達もいる。
「だけど、もし相手に力が残ってたら
次も同じ手を使ってくると思わない?」
同じ…手?
「すでにある強い存在を直接
日葵ちゃんに差し向けたでしょ?
大きな狼、罠。
植物魔法で引き返せないようにしてね。」
目の前に幾つかの影が現れる。
後ろからさりげなく風で押され、
私は抵抗する。
「もしかして、何が起こるかある程度予想がつくの?」
目の前の影も私のほうに近づき
合わせて後ずさりした。
「神・国・魔物・犯罪者」
後ろからさらに何かが飛んできて
私の前に立った。
「そして魔女。」
私の目の前には魔女さんが居た。
なぜかその表情は浮かばない。
「短絡的すぎるかもしれないけど
無理やりにでもこういう存在と戦わせるのが
きっと楽だよね。」
私の後ろは石壁になっている。
逃げようとした
しかし、逃げられない!
「もしくは、」
魔女や黒い影の目が青く光る。
「直接、憑依してくるかな?」
…!
憑依時の戦闘力は私も知っている。
私の体でも諦神さんに抵抗出来ていた。
その経験があるから、このヒントがあるんだろうけど
もしも魔女さんの体に運命の精霊なんて…!!!
「どうすればいいの?無理、無理だよ!」
私は足が竦み、やっぱり涙が出てきた。
情けない…。
その時、なら立て人間という声が聞こえた気がして立ち上がる。
そうして気づいた。
「もし、その悪意ある運命を避けたり変えたり
できれば戦わずに済むの?
憑依していた時のために精霊拒絶の秘薬が必要なの?」
強い風が吹き、液体とともに
目の光が消え去る。
しかし影たちは睨み続ける。
「運命自体を弄られたら、
回避するのは無理だろうね。
でも憑依は対策できるよね!」
うん…うん!
「できる対策は準備しておこうね。
タイミングだけは教えれると思うから。」
「ありがとうフラリスさん!」
私は、そのまま眠りについた。




