表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
私は背を伸ばし、さらに伸ばし葉もつけて
167/192

成功と今後

私達はギルドで探検隊の方たちとご飯を目の前にしていた。


「今日は宴会だな!」

そのレンさんの言葉に見合う品ぞろえ…

お肉、野菜、パン、豆、ミルク

ジャム、スープ、チーズ、焼き立てのソフトパン…豪華すぎるよ~~!


思わずよだれが出てしまう。

私にとっては命の危険に見合うごちそうだった。


しかもおまけ

そっと手を手を当てて祈り

水とミルクを冷やしちゃおう。


…ふふん

冷たい水やミルクに皆さんきっとご満悦だ。


「いやー、バルドにも食わせたいな!」


「いいじゃない、退院した時に食べさせるわよ。」

レンさんはミルクを飲んでいて、

ローラさんはお肉を食べている。

少し意外…。


「おいおい、はしゃぎ過ぎだぞ。」

マッツェンダさんこそ先にはしゃいでたよ?


「うふふ、本当に贅沢ね。」

リーファさんも今日はよく食べている。


「この資金、考えて使う。

 今は贅沢が有効活用だ。」


皆さんお酒は飲んでいない。

…私がいるから口を滑らさないために…???


「もっと探検の話、聞きたいな。」


私、席を外した方がいいのかな。

きっと辛そうか、寂しそうな表情が見えたのだろう。


「そんなことないよ、君の今までの話を聞かせてよ。」

カリムさんが逆に怖い。エスパーかな?


私は初日の事は誤魔化し、ギルドに住んでから

草取り・ルーニーさん・ギルドが襲われた事を話した。

さすがに諦神さんは公に話せない。


「いや、激動だね。

 毎日が危険じゃないか。

 ホントなら、まだ半月だろ?」

確かに。


「…ご心中お察しします。」

紫苑さん、それ…やめてほしいよ…。

「はは、気にしないで!」


「あはは、風魔法比べでも思ったけど

 大物になるよ!」


「草取りは一番大変な依頼だったかもね。」


「そうね、もし日葵ちゃんが涼しく

 できない子だったら…」


私の思い出の草むら。

思い出すな、あの青い香り。

そして、草むらスイカ。

「そう!あの広大なダンジョンで!

 私は草むらスイカを見つけたの!」


ふと思い出す。

バルドさんが居ない…。

きっとバルドさんだったら

それでも俺がやってやるぜ!

とか言ってたんだろうね。


「その草むらの近くが、まさか出口なんてね」


「ハチュッシャが居たからもしかしてと思ったけど

 もしかしたね。」


「農家のおじさんも判断が良かったね!」

本当に助かったと思う。

運命の精霊が運んできた悪意も、私達の縁が

あったおかげで諸刃になったんだね。


食べるのを忘れて話を聞いていた

そんな私にパンに野菜とお肉を挟んだものを差し出す

キャロスさんが少し可愛かった。


その後おしゃべりしながらジャムにも口を付け

その甘みを堪能したり、お金に余裕が出来て

皆の心に余裕が出てきたのを実感した。



皆での会食を終えて、私は寝る支度を済ませ

寝室に向かう階段を上ていた。


ぼーっとパントリーを覗きながら

「少しは恩返し、出来たかな。

 きっと自分にも…。」

思わず囁いた言葉でハッとする。

私…あの人と話したいのかも。


私は1階の冒険者カウンターまで戻って、

闇夜を眺めて落ち着いた。


闇夜の静寂の中再び、あの姿を思い浮かべる。

「ありがとうございます。

 私、恩返しできたみたいです。

 次は貴女にもこの服を届けます。」


<…当然よ。言われなくても、取りに行くわ。時が…来れば。>


思えば私、魔女さんに出会ってこの街に飛ばされた瞬間は

終わったって思ったけど

こんなにあったかい夕食を過ごせるなんて夢みたい。


ドアを開けて戻り、階段を上りなおす中

胸騒ぎがして胸を抑えた。


もしかして、ダンジョン…

また潜らないといけないのかな。


止まることは許されず、

そしたら…また巨大狼みたいな敵と戦う…

いや魔物の群れとの大乱闘になったら…。


胸が痛い、寝ながら考えよう。


再び階段を上り

寝室に入ると再びフラリスさんと

諦神さんとの相談を開始した。


力の限り進むために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ