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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
ついに私はダンジョンで運命と対峙する。
159/173

巨大魔番狼

私達が急いで駆け込む中

狼は咥えたこん棒を振り上げ、

ゴシンと床にたたきつける。


かと思えば振り上げ、回転して振り回し

飛んで躱せば爪を振り上げる。


狼のサイズは人6人分だ。

攻撃が直撃すればもうひとたまりもない。


先ほどは見えなかったが

横のほうにさらに大きな通路が見えた。

そこから人間を見て飛び出してきたんだ…!


バルドさんはローリングしたり

バックステップでかわしてるけど

様子がおかしい。


…血が出てる…!大丈夫…!


ローラさんの誘導フレアや光弾は

当たっても無視して行動している。

どうしよう…!


「この狼め!生意気に武器なんぞ!」


農家の人が突然叫び声をあげ

そして入り口から土が入ってくる。


魔法…いや、このまま突っ立ってても状況を変えられない!

私は盾を持ち、狼に駆けだした。


試練の盾はもうすぐ効果が切れてしまいそうだ。


皆で一緒に戦わないと!


「バルド、おい!逃げるぞ!」

レンさんは一歩先にたどり着いて

声をかける。


逃げるんだね…!

「…すまねえ!毒で足がふらついて

 そんなに動けねえんだ!」


きっと飛び出した罠にやられたんだ…!


レンさんが庇うように飛び出して剣を合わせた。


ぎゅ…ダン!


一瞬剣とこん棒の根元が競り合った。

だけど力があまりにも強く

「みんな早く外へ!ぐわっ!」

体が吹き飛ばされている。


バシンと音を立てて

壁の罠に当たる前に水クッションに

レンさんは身を沈める。


狼は床の罠を踏み壊しながら近づいた。

レンさんは一歩下がるが、狼はこん棒を投げ捨て

それが一直線に飛んでくる。


…私が守るんだ!


私とともに来た試練の盾が意思をくみ取る様に

レンさんの位置を逸らしてこん棒の射線から外れる。


私はレンさんの前に出て盾を構えるなか

ならば嚙みちぎろうと狼が迫る。

速い!


思わず目を閉じたが試練の盾が動いたようで

盾を噛んでしまった狼がイラついたように吠えて

盾を放り投げ

そしてその大きな爪を振り上げる。


ローラさんの魔法が目に当たり暴れながらも

その爪は振り下ろされ私はとっさにリザードの盾を構えた。


それでも当たりそうで、私は時の魔法で加速し

僅かな猶予の中盾を合わせる。


ガリガリガリ!


その恐ろしい音とともに盾は傷付き、腰から力が抜けてしまった。


あああ、大変!

その瞬間レンさんが私とバルドさんを持ち上げたのを感じた

ごめんなさい…!


がぁっぁぁぁぁ!!

突然狼のすさまじい叫び声がした。

砂埃が経つ中、サラサラとした土が足を伝って

口に入ってる!


「ざまあみろ!土でもくっときゃいいんじゃ!」

見てるだけで苦しい!

農家のおじさん…すごい!


「重力の魔法で軽くしたわ!

 外に出て!!!」


私達は風のごとく外に出る。

箱を壁に浮かしながらおとりもばっちりだ。


狼はよろつきながらも追ってくる。

出ろ!


闇物質の板をばらまいて、視界を妨害…

一心不乱に投げ続けた。


その時、入り口付近の漂っていた

妖気が消えていき…


…どか―――ん!!


入り口が吹き飛ぶ。


農家のおじさんが爆破したようだった。

こうして一旦、私達は難を逃れた。


がぁぁぁぁ!


意思が崩れる音と、狼の声が聞こえる。

凄い生命力…これでこの通路が塞がってればいいけど…。


ともかく、これでダンジョンの危険は潜り抜けたみたいだ

バルドさんの容態は…


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

咆哮ふさぐ土の壁

爆音の後

運命は破裂する

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

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