悪戯
私達は歩いていくと光輝く通路に出た、
出口だ!…ほんとに?
植物の魔法があったら…。
私は目を瞑り、祈る。
きっと使いどころだよね。
ゴォォォォン!
鐘が鳴り
試練の盾が出現した。
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審判の時だ。
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それは石と金属の欠片の集合体で
暫くは私の周りで守ってくれるようだ。
周りに妖気が漂い、闇の中に紫と黄色の光が漂った。
「…こんな時に諦神…かよ!」
紫の手が霧と共に地を這って移動し、
罠が至る所から飛び出して行く。
邪魔な槍は岩をぶつけて曲げられている。
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「罠と魔法は無力
ついてこい。」
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先導して歩いていくと
「何をしてるの?日葵ちゃん。」
「待てよ、陣形を…!」
とローラさん達は驚いていた。
私は言葉を発していなかった、これって憑依…?
バルドさんが追い付いてきて
「まてよ、俺が壁に…」
それでも無意識に体が歩く。
諦神さんは不要と判断したんだろう、
私の体は振り払うように駆けだした。
ローラさんとレンさんも鉄箱とともに浮遊し
「今のうちに行きましょう」
そして諦神さんが出口に妖気を放った。
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「駆け抜けろ!」
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私はそう言い放ち外に向かい走る。
壁から矢が、そして毒や何かの破裂した音も盾は受け付けない。
雨を弾くような激しさで、自由自在に動く
魔法と物理を防ぐ強力な盾だ。
外に出ると、人影が道具を持って立っている。
「な、なんじゃ!
いつからこの洞穴に…!」
の、農家のおじさん!?
それに、爆薬だ…!
「あのお久しぶりです、
草取り依頼でお邪魔したギルドの…」
「あ、あの時の草むらスイカの…」
その手に握られた爆薬と、火をつける魔具
ポッカリン…魔具で点火する直前!
「この火が急に消えて。
洞穴をふさごうと
思ってたんじゃ!
モンスターが湧いてくるから危険での…。」
…えっ。
背筋が冷えて思わず農家のおじさんを
洞窟の前に立ちふさがって止めた。
「仲間がまだいるんです!
やめてください!」
頭を振ってふっと息を吐いて冷静になる。
これが…攻撃?
「おお、分かったやめておこう。」
でもこれで凌いだってこ…
「大変だ!バルドが敵と戦ってる!」
一歩遅れてレンさん達の大声が聞こえた。
がおぉぉぉぉぉぉ!!
洞窟から振動が伝わってくる。
私は振り向いて、洞窟の中に飛び込んだ。
試練の盾は…
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あと少し、盾は可能
妖気は…貸せぬ。
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通路には巨大な青く輝く狼が飛び出して来ていた。
光る瞳、とげとげの鎖を付けていて
大きな鉄と木のこん棒を咥えた魔物だ。
「な、なんじゃこりゃ。
冒険者ぁ、こんなんと闘うのか!?」
農家のおじさんが追いかけてきて
鍬を構えた。
爆弾は置いてきたようだ。
時の魔法でも、陽動でも
何でもやってやる!
私はふらつくバルドさんの元に駆けだした。




