ぐーーーんと背を伸ばす
私は目の前の暗闇が敵に見えて
急に怖くなった。
「あの、前方をサレットで照らした方がいいでしょうか。」
「いえ、やめた方がいいわ。
光に合わせた罠もあるかも。」
「いいや、照らした方がいいと思うぜ。
不意打ちが危険すぎる、
光だけで終わるならそれが一番だぜ。
俺と鉄の箱が罠を受け止めるからよ!」
「そうだね、僕もそう思う。
日葵ちゃんの体力を使って
闇魔法を打ち砕けるなら
それが一番生存率が高そうだ。」
「分かったわ、私達は待機してるから鉄の箱の盾の間から
前方を照らしてちょうだい。
「はい!」
準備を整え、前方をサレットで照らす。
すると10個ぐらいの球体から大猿が出てきた!
わああああ!
「ヴぉおおおおおお!」
「ウギ――――――――!」
私はライトを照らしたまま、冷気を纏わせた短刀と盾を構える。
しかし大猿達は私に到達する前に
消滅していった…。
「日葵ちゃん!」
私の体を見ると青色の光が私を包み
ビキーーンという音が5回ぐらい鳴った。
「撃破の祝福よ!
久しぶりに見た!」
「しかも、5レベルなんて見たことないよ!」
「やったな日葵!」
これが撃破の祝福なんだ!
確かに体がみなぎっている気がする。
今のできっと16レベルぐらいだね!
それにしても、もし今ので
少しでも足を踏み込んでいたら…。
私はバルドさんがタコ殴りにされる
図が思い浮ぶ。
死にはしないかもしれないけど、
こんな罠が沢山あったら命が持たない!
私達は再び陣形になり、熱探知や
時々前を照らすこと、
壁などの仕掛けを先に作動させることを繰り返して進む。
フラリスさんに作動させてはいけない罠がないか
聞いてみる。
「ないと思うよ?通れなくなったら不便でしょ?
簡易な罠があっても
重力の魔法で持ち上げられる
だけだからね。」
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いざというときは
腕輪に願え。
だが、時を間違えば
死ぬぞ。
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…数十分で50歩ぐらいしか進んでない。
しかも生存最優先で、
通路内の部屋なんて入っていない。
「かなり突き当りか出口に近いはずよ
地上の地図によるとね。」
そういった直ぐ後にT字路が見えた。
また10分ほど使ってそこに行くと、
何やら古代文字の通路だ。
オモテオモテと同じ文字と
何か良く分からない文字が書かれていて、
それぞれ道が分かれている。
もしかしたらオモテオモテに戻れるかもしれない。
そう思っていたが、レンさん達は別通路を目指した。
「あの蜘蛛の巣のかかったところに繋がっていても
壁がひび割れだらけで危険だ。
かなり距離も遠く見えるし、
今は物理的に出口に近い方に向かうんだ。」
…あっ。
私達はさらに未知の道を
簡易的にメモを取りながら進んでいった。




