通路
地図を描き終えて、
皆でまずローラさん側の通路を見に行く。
するとレンさんが水の霧を発生させた。
通路の空中に水滴…蜘蛛の巣だ。
光で照らすと普通の蜘蛛の糸だった。
ふと目を閉じながら天井を見上げた。
よくわからなかったけど、温度が他と違う気がして
ローラさんに報告する。
「あの、天井の温度が…」
「蜘蛛がいる様ね、天井は刺激しないようにするわ。」
誘導フレアで通路の探索をして、
地図だけ書いて次に進む。
「ひび割れも見えるし、狭そうで危険だし
上は糸が風で揺れてないから釘切蜘蛛の巣みたいね。
こっちの道は一旦最後の候補かな。」
バルドさん側の穴に近づく。
ふと見るとハチュッシャが蛇を食べているのが見えた。
仲間は…どうしてるのか良く見えない。
もう一つの穴は湿っていて、蜘蛛の巣はなかった。
風は感じるけど、少し狭いように感じる。
どちらにしてもここからは光魔法が絶対に必要だ。
そこでローラさんが誘導フレアを放った。
「空気はあるわ、誘導フレアも消えない。
敵も少ないか、様子をうかがってるようね。」
蜘蛛が居ないってことは虫さんも少ないのかな。
「どちらにせよ探索は必要だけど、まずはこちらに向かいましょう。」
…私も温度探知を行う。
近づくと特に何も…いや、床下に沿って細長く
形がある気がする。
「こっちのルートには蛇さんがいるかもしれません。」
「ああ、閉所だからまとまって進もう。」
バルドさんは床や壁をこん棒で軽くたたきながら進む。
時々地面や壁を叩きながら、ライトで照らして
進むことで崩落の危険を回避してるんだ。
時々警告されて、蛇さんを追い払ったり
何かがありそうな穴の辺りに闇物質で
橋渡しして進んだ。
途中に湧き水の泉があり、そのあたりには
蛇が多かった。
すると様相が変わってきた。
洞窟というより人工的で人が通れる…
そうだ、入り口は古代遺跡だった。
だからこっちがきっと本格的なダンジョンなんだ…。
周りは闇、探知だけが頼りだ。
そうするとローラさんが軽い光魔法を使って
地図を書き始めた、時々誘導フレアも使っているようだ。
遠くから何かが近付いてくる音が聞こえた。
私はライトをレンさんに向けて
1本道のこの先の通路を警戒する。
「人工的だな、任せて。」
レンさんが水の盾を作って
その何かを覆いこんだ。
私に合図が来たので、ローラさんとそれを凍らせる。
ビキッ!
空中から盾が落ちた。
バルドさんがこん棒でとどめを刺す。
ぎぃぃん!
音が響いたが、近づいてくる気配はない。
不用意だったと思うけど助かったみたい。
これは…機械何かの鉄の塊だ。
こんな機械が昔は普通だったのかな。
「軍事施設かもしれない。
これは高難易度だ。
引き返すか?」
レンさんの提案に唾をのんだ。
その機械はよくわからないけど、
軍事施設は罠も多くて危険って。
「いいえ、分岐点までは進むわ、
洞窟とごちゃまぜみたいだし。」
私はフラリスさんにヒントを求めた。
「離れたり無理に進みすぎなければローラさんの探知と
闇物質での橋渡しで問題ないと思うよ。」
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1本道の警備が薄い
問題を感じぬ
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そうして
一行は再び歩を進めた。




