さっそくの敵襲
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今回はローラの目線での探索だ。
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ローラは地図を広げた。
この入り口付近までは記載があるが
その奥がない、此処から危険と判断したのだろう。
カリムが判断したのだから恐らく間違いはないだろう。
日葵とバルドの方向で、光に続いて破裂音
思わず驚くも、意識を集中しバフを掛ける。
…怪我はしていないようね。
どうやら日葵は闇物質に敵を閉じ込めたようだ。
知能の低い魔物相手なら、凄く賢いわ。
バルドは何かを殴っている。
あれはハチュッシャ…
任せておけばよさそうね。
サーチしてみても、対処できない群衆型の魔物ではない。
私たちは慎重に近寄り
距離を縮めながら
そして日葵に質問する。
「あそこにいるの何?」
「蛇さんと蜘蛛さん…
でかくて金属みたいな。」
切釘蜘蛛!
と蛇ね…噛まれると危険だわ…
慌てて蜘蛛の巣をサーチするも
罠は張り巡らされる前だった。
「盾には糸が付いてるから足を切らない様に」
私は小声で日葵に忠告した。
レンが黙って水のブロックを作ったので
私は意図を察して凍らせて重力を掛ける。
闇の板毎重量がかかるが日葵がそれを解除し、
…ズドン!
第一のグループは静かに処分できた。
「うわわ、死ぬかと思いました。
この蜘蛛の巣鋭い…!」
盾を置き
落ちていた闇物質を持っていて
そこに蜘蛛の巣が引っかかっている。
その糸はまるで金属の糸のような質感だった。
「これは本当に中級ダンジョンかもね。」
下級ダンジョンでは毒蜘蛛や蛇といった
厄介だけど対処しやすい敵が多い。
中級になると鋼鉄蜘蛛や知性を持った怪物が出始める。
場合によっては機械が守っていたり
上級になると魔法で作った兵器まで存在する。
ドラゴン以上に強い魔物が出てくるとそれは神話レベルだ。
このくくりで行けば中級ぐらい。
「ああ、少し距離を縮めよう。」
入り口がもはや探知できない。
「日葵、魔力妨害が掛かってるみたい。
…もう普通にして大丈夫よ」
「あの、この先に温度の高い穴があるんです。」
「…魔物の巣、入っちゃだめよ
教えて、どのあたり?」
「私の方向です。」
探知してみると、風が流れていない穴がある。
これは誘導フレアすら近づけないほうが良いのね。
後で個別に討伐する。
キャロスさんも含めてね。
「風の通ってる穴は
バルドと、私の方向にあるわ。
そっちの温度は?」
「…何も感じないです。」
温度の高いのはおそらくハチュッシャの住処。
残りもきっとどちらかが鉄鋼蜘蛛や蛇の巣に
繋がってる。
もしくは両方ともに分散しているかも。
毒がないか…蛇みたいな何かを確かめたいけど
巣が近いなら近づけないわ。
私はその付近の地図を描きつつ
頭を悩ませていた。




