慎重を期し
特に問題もなく地図の通りに
ダンジョン前までたどり着くことができた。
少し離れたところで装備を着込む。
ガシャン。
両手を当てると強くなった気分だ。
「ダンジョン内ではあんまり音を立てない様に。」
ローラさんから忠告を受ける。
レンさん、バルドさん、ローラさんも鎧を着こみ
真剣な面持ちだ。
私はローラさんに耳元で囁くように報告する。
「分かりました。
それと周囲に異常な温度はありません。」
ローラさんは驚いてこちらを見た
まさか探知がそこまでできるとは
思っていなかったのだろう。
しかし数秒後には頷いてくれた。
それを見て皆さんも警戒モードに変わり、声を潜める。
「分かったわ。」
「いくぞ。」
「俺が先頭だ、反射で敵を蹴散らすぜ」
そうして倒木を乗り越えてダンジョンの前に向かう。
古代語の良く分からない記号が繰り返し書かれている。
「オモテオモテ」だろう。
入り口は半分洞窟で半分人工物の奇妙なものだった。
気を引き締める。
ローラさんが目を閉じて、誘導フレアを展開する。
洞窟の中を捜索するようだ。
「…空気もあるしそこそこ広いわ。
警戒しながら入りましょう。」
「最後尾は俺、最前列はバルドだ。
目視で探索した後ゆっくり進む。
陣形はひし形で普段は少し離れて
戦闘時はそれぞれ3歩の距離まで近づくぞ。」
わわ、私も自衛するんだ。
「小型生物が居たらすぐ教えてね。
サインは、そうね。
ライトか光魔法を味方に向けて。」
「俺はいつも通りこの破裂音を後方に送る魔具を使うぜ」
…破裂音や光で距離を縮める…と。
「空間をある程度進んだら
誘導フレアで地図を作るよ。
その間は敵警戒や
不意打ち防止で三角形でローラを守るんだ。」
私たちは暗い中お互いの背中を合わせる。
(もし気分が悪くなったらすぐに仲間に言って
毒ガスかもしれないから)
頷きながら探知をおこなう。
誘導フレア以外に温度の高い所は複数ある。
今のところは近づいてきたら教えるんだよね。
盾を構えながら、地図を書き終えるのを待っていた。
こうして本格的な調査と地図作成が開始されたのだった。




