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第6章 - 絡め取る運命
運命は都合のいい種を選び
魔女に渡した。
植えられる前から
それは向日葵の種と知っていた。
果実など実るはずがない。
だが運命はさらに笑う
芽が生え、双葉が出るだろう。
幹が伸び、葉が生い茂るだろう。
きっと花となり、そのあと散るだろう。
その間に枯れれば
哀れで面白いに違いない。
だが運命の丸めた糸が延ばされた。
どんな存在も無限の力はない。
なら脆い所を断ち切る、そう刃物を当てる。
魔女は見守る、期待と罪状とともに。
運命は見守る、契約と悪意とともに。




