(日葵との)フラリスさんとの▲対話▼
私は寝室で月を見た。
そうして窓を閉じると、横になり目を閉じる。
「ヒントの時間だよね…日葵?どうしたの」
いつもの森だ、でも私の表情はいつになく真剣だと思う。
「専属のリスク、黙ってたよね」
風が流れる。
「そうだね、それがどうしたの?」
「怒ってないよ?どうしてかなって思って。」
「ほかの子が信用できないから。
だって、日葵ちゃんを知らない子に…
今の日葵ちゃんを任せられないよね。」
…
「私も日葵ちゃんと話したくて
日葵ちゃんも私を呼んでくれた。
どうしても専属で契約したかったの。」
「それが邪魔になる可能性もあるよね。」
強い風が吹いて木が揺れる。
「専属には利点もあるの、"憑依"が
しやすくなるのもそう。
リスクがあれば利点もあるんだよ。」
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肯定。魂抜を防げる
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それで助かったのは確かだ。
感謝しないといけないかもしれない。
「ありがとうフラリスさん。
ほかに、何か隠していることは無い?」
空が曇る。
「運命」
嵐が吹き荒れ始める。
「運命の魔法も使えるよ。
だから分かるの、日葵ちゃんの運命は
捻じ曲げられてる。」
…え?
「本当は道なんてなかった。
私がお祈りされてた力で友達と抵抗して、
ギルドへの細い糸の道を作ったの。
でも相手は相当強力で意地悪な運命の精霊。
次のダンジョン探索で、殺されるかもしれない。」
私は思い出した、祠から押し戻すような風が吹いていたこと。
祠に引き寄せられていたこと。
ルーニーさんに助けられたこと。
キャロスさんが道を示してくれた奇跡を。
「日葵ちゃんの健康になりたいってお祈りが
今の自分を助けてるんだよ。
これは日葵ちゃんの力なの。」
「運命の魔法を使おうなんて考えないでね。
一人だと8年祈ってようやく少し捻じ曲げられるぐらいだから。」
…本当なら使ったら気絶どころじゃすまない。
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我より強い…か
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「相手はそれだけの存在って事。まともに戦って勝てるはずがない。」
集団の力を知らないってローラさんは言ったけど
今の話が真実ならこれは集団でも勝てない。
余りにも、危険すぎる。
私はその話を聞いて仲間を巻き込んでしまったことに迷っていた。
とある日…
沢山の皆、いつも日葵ちゃんを見守るの
一緒にしてくれてありがとうね!
沢山って12だよ…数えようよ。
あんけーとしようかな…
森と祠の本
魔法と剣の本
歴史と文化の本
水晶と湖の本
観光地のパンフレット
誰かの黒歴史ノート
どれを語ってほしいかとか日葵ちゃんに探らせたいとか。
えー、フラちゃんそれ大胆!
日葵ちゃんの事を話し合うのがさらに遅くなるよ。
皆、いつも相談乗ってくれてありがと。
日葵ちゃんにボロを出さずに済むから助かるよ。
こっちこそ、偶像化の化身。
しょうばいじょうずーーー!
私の能力を忘れないでくれたらいいのに。
こっちこそ、いつも安定した食事ありがと。
皆、日葵ちゃんには12精霊と見守ってることは内緒だよ!




