扇ぎ屋3日目
「どうぞ!」
私は扇ぎ屋を続けていた。
時々目を閉じて、体調が悪い人がいないかチェックする。
心なしか、闇物質の生成成功率がものすごく高くなった。
冷気もすぐに発生する。
なんとなくだけど、これは私じゃない。
フラリスさんの熟練度と体調が良くなってるんだ。
後でちょっと聞いてみよう。
「日葵ちゃん!私もいい?」
アリッサちゃん!
「うん!どうぞ!」
扇いでいると数十秒は目を閉じていたけど
その後私の腕を見ていた…あ。
私は慌てて口を闇物質で隠した。
ハッとしたように
両手を合わせて謝るポーズが見えた。
アリッサちゃんに謝らせちゃった…。
「日葵ちゃん、これからも頑張ってね!」
お水を飲んでアリッサちゃんは去っていく。
空中に出せばコップ要らずだし
コップを希望されてもその場で洗える。
レンさんの能力だ。
今日は何の問題もなく
夕方まで時間が過ぎた。
「俺さ、これやって良かったよ。
水の操作がうまくなった気がする。」
君もそうだろ?と言葉を出さずに指を肩に
当てて笑うレンさんに頷く。
試しにレンさんの手を冷やしたら
驚いて手を引いていた。
「ちょっと冷たいよ、日葵~~。」
私は目を閉じてフラリスさんに聞いてみる。
「これって熟練度が上がったの?」
イメージは三つの氷柱だ。
「ひとつ、慣れて余計なことを考えず祈れる。
ふたーーつ、私や友達の精霊が元気!
みーーーーーっつ、日葵のレベルが上がった!」
そうなんだ、慣れと祈りの量とレベル
全部影響するんだね。
「いろんな魔法を使ってあげる必要はある?」
氷の柱が四角に分割して崩れる。
「私がお祈りパワーを分けてあげてるけど
慣れたいなら必要だね。」
「ありがとうフラリスさん!」
もしそれが本当なら魔術師さんって
精霊に沢山毎日お祈りをあげないといけないよね。
大変だな…。
??
魔具だよね水の宝珠って。
魔具も使いなれると強くなったりするのかな。
カリムさんやフレアンさんとすれ違ったのでお礼を言った。
「この間、ありがとうございました。
塩と豆の差し入れ、すごく助かってます!」
「良かったよ。おいしかったかい?」
「はい!」
「頑張りなよ、私たちも当日が待ち遠しいよ!
成功したらほかギルドをぎゃふんと
言わせてやれるんだからさ!」
本日の報酬は200クランだ。
私たちは外を片付けて食事に向かった。




