あり得ない全快
日葵は翌日の朝起きる、
一晩ぐっすり眠ったからか、
今日は全く体に違和感がなく最高の気分!
頭も晴れ渡る様に清々しい。
足の重りもちゃんと付けた。
私は廊下に顔を出して
探知を使ってみた。
位置までは分からないけど、階段を誰かが下っている。
もしかして、魔女さんから見た
「人物感知」ってこれをもっと
精度を上げた魔法かもしれない。
私は部分的に魔女さんの目線を得たんだ。
私は2階に駆け降りると、リーファさんだった。
「あら!もう大丈夫なの?休んだら…」
元気いっぱいに、疑問に答える日葵は
リーファの心配と全く真逆であった。
「大丈夫です!
それに私考えたんです。
2時間に10分ぐらいお休みを頂けば
問題なく働けます!」
リーファから見て、この状況は異常だった。
口に手を当てて思った。
この子…すごい子ね…!
「本当に大丈夫?…えっ、大丈夫そうね。」
疑いながらも腕の筋肉を揉んでみた。
日葵が痛みで飛び上がると予想していたのに筋肉は解れていて
むしろリーファが飛び上がる羽目になった。
夜、夫と話し合った。
日葵にも訓練が必要で、負担も大きいが
体を補助する魔具もあるから具合が分からないと
結論が出なかった
でもこの子は自分で休憩時間について考えている。
この子のニコニコ顔が一瞬おかしく見えたが
直ぐに頭を切り替える。
「夫にもちゃんと相談して、
相談してね?」
「はい!」
思えばこの子は何度も壊れかけては
不死鳥のように舞い上がってくる。
年齢には不相応な知恵や仕事への憧れ、
私も何か手助けしてあげられることは無いのかしら。
精霊とのコミュニケーション方法や
夫との関係性の助言みたいな…。
日葵は1階に行き、掃除を始める。
するとそこにいたレンさんやローラさんが
驚いて止めに入ってきた。
「休んでいなよ、まだ不調だろ?」
「日葵ちゃん…働きすぎよ。」
「あの、私の腕を触ってみてください。
回復してるみたいです。
ローラさん、介助ありがとうございました。」
疑いながらも二人は腕を揉んだりして驚いた。
筋肉が硬直していないのだ。
腕も最初にあった時から筋肉が増えている。
「あはは!
勇者たるもの、常に万全!
何があっても食事と睡眠はしっかり取って
心も体も人を救えるようにしないとだもんな!」
レンさんは盛大に笑う。
「レンはドジなの、そんなわけないでしょ。
昨日のは明らかに熱にやられてて普通なら
数日は、特に成長期だしね。」
そういって私を逃してくれなかった。
そうしている間に食事の時間となり、
朝起きてきたバルドさんも併せて
全員で朝食を始めた。




