14/160
1章 - 運命は見守る
魔女は待っていた。
日葵を待っていた。
日葵という種は無数の種の中から
運命のように摘み取られる。
女は畑に植え、肥料を与えた。
種は見知らぬ土の中で芽を出し、
少しずつ、地面を盛り上げる。
光を探し暗闇の中でもがいているようだ。
女は観察し、芽が見えるのを楽しみに待っていた。
女は想像する。
芽が生え、双葉が出るだろう。
幹が伸び、葉が生い茂るだろう。
きっと花となり、そのあと散るだろう。
そして待っている。
いつか実がなるその時を。
枝を折り、その実をもぎ取る瞬間を…。




