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第五章 - 準備
幼苗を見守るのは魔女だけではなかった。
キャロス、リーファ、レン、バルド、ローラ、諦神
友達、マッツェンダ率いるダンジョン探索隊、
ギルドのお客たち。
幼苗は必死に育とうと葉をつけ幹を伸ばす。
それは魔女にとって良いことだった。
しかし魔女には、それが良いことなのか分からなかった。
魔女は水と光を、指先で少しずつ削った。
それでも幼苗は夜露を飲み、光も浴びてぐんぐん背を伸ばす。
もう少しで蕾をつける準備が整いそうだ。
魔女は苦悩していた。
果実が生れば、彼らは守るだろう。
ならば虫払いを、と準備を進める。
誰のための虫払いか、決められないままに。
装備は整えた、
魔法もある程度は覚えた。
ダンジョンまでの数日間、
何ができるのか探さなくっちゃ!




