危ないことを…
私の朝の目覚めはそこまで良くなかった。
汗がだくだくだ。
ローラさんにこのことを伝える。
「ごめんなさい、寝床をまた汚しちゃって」
無性に怖くなってまた泣いてしまう。
一瞬後にはここに居ないかもしれない
「日葵ちゃん。落ち着いて。
また洗っておくから。」
暫くすると落ち着いた。
その間にキャロスさんが起きて後ろを通り過ぎたのを感じた。
私も1階に行き食事を食べる。
「おい、俺の皿からとっただろバルド!」
「のんびりしてるほうが悪いぜ!おい、取るなって!」
「全くこれだから…」
そんな中、キャロスさんが私に声をかけてきた。
「倉庫にしまってあるものを渡すつもりだ。
それにお前が使えるものがないか確認したい。
あとで来てくれ。」
防魔法室に…なんだろう。
「はい。」
「今後はお前に仕事をしてもらうかもしれない。
だから、今後一人でも迷わないよう方位石を渡すんだ。
ギルドは人が足りてるからな。」
…なるほど!
「はい分かりました!…?」
いやいや、防魔法室だよね。
つい、納得しかけてしまった…。
「外で仕事するかもしれないのね。頑張ってね。」
そういってリーファさんが私を撫でてくれた。
食事の後私は防魔法室に向かった。
キャロスさんもついてきた。
「どうした、今朝は…」
私が泣いていたから様子を聞きに来てくれたんだ。
方位石を持ってる。
それは本当なんだ。
「実は…」
私は事情を説明した。
…
…
「それしても防魔法室の外で訓練なんて
また危ないことを…。」
頭を抱えているキャロスさんに私はうなだれるしかなかった。
もともと防魔法室での訓練を提案したキャロスさんに
何の相談もなく行動してしまった。
「いや、発想はいい。ちょっと待ってろ。」
キャロスさんが出て行って、暫くすると
頑丈そうな植物の袋を切り取って簡単に縫ったような2つの袋を持ってきた。
「これを足に結んで付けろ、中には土と丸い石が入っている。
今作ったが訓練用で、歩くだけで筋力が付く。
袋が破れたときは縫い直すから言ってくれ。」
…初めから相談しておけばよかった。
私はぎりぎり子供だし諦神さんは凄いけど
感覚が人間離れしている。
フラリスさんも私の知識以上の事はあまり教えてくれない。
「はい…わかりました。」
「いいか、俺たちは味方だ。
忘れるな。」
その言葉とともに背中を押されて外に出る。
「その方位石は基本は北を指すが
祈ればこのギルドを指す魔具となっている。
もし依頼で帰るときはそれを参考にしてくれ。
ただし魔力妨害下では信用できないぞ。」
「はい…!」
大人のありがたさを身にしみて感じながら、私はアイテムを確かめる。
足に括りつけた袋に違和感は…ない。
そして方位石、
これを使うときは私が自立して働く時…なのかな。
期待と共にポケットにしまいこみ
笑顔で業務を開始した。
あなたならどうやって訓練する?
もし何かいい案があればコメントで教えてね!




