<気にしないわ>
「レベルが6になりました…」
うるさい!まだ時間じゃないわ!
小娘め…
軍隊ミニオンを分解、回路を組み込みながら
魔女は声を荒げた。
早く殺してくださいとでも言うつもりか!
それとも、私の譲歩でも引き出したいか!
…そのほうが良いかもしれないわ。
じっくりと見守っていたら、刈り取るのが
辛くなるかもしれないもの。
…何を言っている私は。
リザード屋…だと?
あのヘルスパークリザードがもはや玩具か。
時代は進歩したものだ。
確かに人物探知に巨大なトカゲが混ざっている。
ヘルスパークリザードだ。
これが防衛施設となれば腐った大地の亡者も
”一時的には”太刀打ちできないだろう。
一安心といったところか。
日葵はどうやら風呂に入っているようだ。
人生初の風呂…死ぬ前の思い出旅行か。
……
それが出来る人ばかりではないというのに、
この娘は分不相応にもそれを行っている。
自分が服を与えた結果とはいえ
この世の中はあまりにも理不尽だ。
兜・冒険服、盾、靴、魔具、そして魔法服…
ついに本格的な装備が揃うか。
重さとしてはおそらく鉄の鎧を着るのと
大差ないだろう。
そんな重装備にして、
どんなダンジョンを探索するつもり…?
私は今は何も気にしないわ。
一刻も早く<軍隊ミニオン>への
精神憑依を実用化しないと…。




