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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
決意を胸に、私は準備する
119/170

初めての休みの朝

猛暑期は朝から明るい。


朝、いつも以上に目覚め良く起きる。

この感じはレベルが上がっているかもしれない。


私は昨日聞いたヒントを思い出しクスッと笑う。

「ヘルスパークだから

 健康にいいね。 お休み」


外に出ようとすると

キャロスさんの手紙が部屋の入り口に置かれていた。

---------

「訓練を部屋でしているのはローラから聞いた。

 今日から倉庫のレベル測定器は特注で

5レベルに加算してさらに誤魔化す設定にしている。


 本日は休みで準備を整えろ、お金は必要な時に取りに来い

 治安が悪いから、可能ならギルドの名前を使って

 引き渡しに来てもらえ。」

---------

そういえばレベル測定でズルをしたって噂、よく聞いたな…。


私はベッドから起き上がる。


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

休暇なら

出かける前に体を解せ

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼


(いいね!)


賛成!熱心になった気分!


私は少しの間体を伸ばしたりしてほぐす。


そして1階に降りご飯の席を見たが私は

席につかなかった。


休みだから住み込みのご飯も発生しないと思っていたからだ。


私はお水を始めて自分で生成して飲み干し

暇だったのでギルドの掃除をしていると

カウンターの扉が開く音がして朝日の中

キャロスさんに声を掛けられた。


「日葵、パンとスープが用意してあるぞ。

 食べに来い。」


思わず驚いて声のほうを見た。

「え、い、良いんですか?」


微笑みが見える。

「普通住み込みは働けない期間も最低限の食事は

 保証するものだし、もう家族みたいなものだろ?

 よほどの事でなければ日葵だけ飯抜きなんてしないさ。」


私も思わず笑顔になる。

「家族…はい!」


食卓に着くと6人で食事を食べ始める。

暖かい香りと笑顔に包まれた食卓だ。


私はいつもより盛ってあるパンを食べながら

スープを飲む。

なんだかちょびっと野菜が入ってて

落ち着く味だ。


レンさんがスープを飲みながら嬉しそうにしている。

もう心はリザード屋さんの目の前だ。

「いやー今日は装備を整えないとな!

 でもまずはリザード屋だな。」


キャロスさんはそれを聞いて訝しげにする。

「リザード屋へ行くのか?もちろん自費だよな?

 経費で出すのは装備だけだ。」


バルドさんがすぐ釈明し、ちゃっかり注文もする。

「自費で行くぜ!盾も買うけどな?」


「日葵の盾としてはいい案だな…

 もしあったら水袋と食料の袋も

 買ってやってくれ」


ローラさんはなんだか体調が悪そうだったけど

私と目線が合うと微笑んでくれた。

「今日はちょっとお風呂は辛いかもしれないけど

 ちゃんと一緒に行って見守ってあげるから

 安心してね。」


私は思わず申し訳なくなってしまう。

「わ、私にもお金はちょびっとあるから

 ご飯が買えればローラさんにその…」


「気持ちだけでいいわ。むしろ妹みたいで可愛い!」

可愛いなんて…へへ。


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

リザード屋の風呂に

ついて詳しく聞け

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

あ、そういえば知らない…。


「リザード屋さんのお風呂って温度はあったかいんですか?

 私体を拭くばっかりであんまりお風呂を知らなくて…。」


リーファさんがこちらを見て何かに気づいたようだ。

「ついこの前まで、病弱だったんでしょ?

 お湯の温度は段階もあるし、

 刺激を求める人には微弱な電気を発生させる

 魔具まであってバリエーションたっぷりよ。」

お湯も選べるし電気もあるんだ!たのしみ!


そういえば、服はどうなるんだろう。


「ちょっとお手洗いに!」


私はトイレに行って水槽に手を浸してみると

まるで服がないかのようで

そこから出ると服を着ていた。


この服はズルい、でもバレる危険もあるよね…。


「心配はわかってるよ。

 闇魔法で一瞬隠してあげるから

 そこで服を着ればいいでしょ?」

ローラさんは影を指に発生させて

それを広げたり縮めたりしている。


「わわ、すみません!」


「今日の訓練は闇魔法ね」

それだけ言うと食卓へ戻っていった。


私も食卓に戻り、食べ終わった後

防魔法室でレベルを測る。

”レベル11”

やっぱり上がっていた。


私は旅立ちの日までに一般冒険者クラスの

レベル15を目指していた。


私は倉庫のレベル測定器も使ってみて動作を確認する。

"レベル6”と表示されたことを確認した。

「レベルが6になりました…」


レベル測定器を使ったので念のため覚悟をもって

報告した。それでも少し声が震えた。


<うるさい!まだ時間じゃないわ!>

耳をつんざくような大声に驚き床に倒れてしまった。

私は思わず出た涙を拭いながら

立ち上がろうとした。


<小娘め…>

という声が聞こえたがふらつく足で立ち上がる。

もしかして、あんまり報告されたくないのかも…。


魔女さんと和解するためにダンジョンに潜ってレベルを上げるんだ!

内心そう決意を固めていても、

泣いてしまった自分が情けなくて少しの間

柱に頭を当てて再び泣いた。


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

泣くことは悪くない。

だが、強者には無意味。

敵を前に泣くな。

命を捨てろ。


強者と対峙するには

心の防衛は必須。

常に気を張っておけ。

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼


諦神さん…

そうだね、私命を捨てる覚悟で

生活しないとだめだよね!


そうして私はきっと瞳に強い心を灯し

仲間たちの元へ帰っていった。


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