突然の提案と試練
今日のギルドも大忙しだった。
午前中、レンさんと私でなんとかカウンターを回し
バルドさんも警備兼案内役としていつも以上に働いてくれた。
何と派遣されている衛兵さんまで
少しだけ冒険者への監視業務アドバイスをしてくれた。
私はいろんな助けに高揚感を覚えながら仕事をしていた。
午前の業務が終わりかけたその時だった。
カウンターにある男の子がやってきた。
私と同じ年ぐらいだ。
体は細めだが、私よりは大きくてしっかりしていそうな平均体系だ。
「今日は私はベラーゼ志男琉です。
このギルドって人員の増員は受け付けていますか?」
腕輪が激しく脈動するのを感じ、私の心臓の鼓動まで
締め付けられるようだ。
「増員ですか、私の知る限りはまだ正式な依頼はありません。
本日はギルド長もお休みで相談も難しいです。」
誠実に断る。
「そうですか、ギルド長のキャロスさんが募集を近々始めると
お伺いしていたのですが。」
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その話を詳しく聞け
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う、うわ!諦神さんだ!
汗が一滴頬にでき始めたのを感じた。
「あ、あの詳しくお伺いしてもいいですか?
昨日ちょっとした事故があって情報共有ができていないんですぅ!」
一瞬で脳が切り替わって言葉になったが
思わず声が変になってしまった。
「は、はい。あの、魔術師志願だけど勉強できない卵に
ギルドの手伝いを依頼する代わりに勉強を教える、そういうお話を
キャロスさんが近々考えていると聞きまして」
これが、キャロスさんの考えていたギルドの増員。
キャロスさん自身の負担が増える代わりに
お互い幸せになる提案を考えていたんだ。
…無茶してないか心配だな。
「あの、できれば後日お話だけでもとキャロスさんにお伝え
ください!」
試練だ、これは試練だ。
心を鬼にしないと。
「まず確認させてください。あなたはどれぐらい本気ですか?」
ベラーゼさんは急に私が目を見たからか言葉からかドギマギする。
「え、あ、その、どういう…」
「私の目から見て、魔術師には相当な体力と経験・知恵が要ります。
毎日の鍛錬や努力が必要なんです。
頼りにされればされる程みんなを支えるためにかなりの体力を使います。
…その覚悟がありますか?」
草取りでもそうだ、ローラさんは補助を絶え間なく使い、私は気絶しかけ
レンさんも消耗を気にしていた。
本気で目指すなら、訓練を怠ってはいけない。
「…わかりました。本気で頑張るなら、体も鍛えないといけないんですね。
わかりました!今日は体力仕事を紹介してください!」
男の子は意気揚々と自分の出来ることを始めたようだった。




