義妹がなんだ!妹と変わらないだろ!
前回のあらすじ 妹が義妹だった。以上。
1回落ち着こう。いや、かなり落ち着いてはいる。
2人同時に『ベタすぎる』とツッコミを入れてしまうほどには落ち着いている。意外すぎて逆に受け入れてしまったのかもしれない。ただ単に俺の脳が理解を拒んだるだけかもしれない。いや理解したくないが?
今まで妹だと思っていた睦月が血の繋がっていない義妹だった。ベタすぎるな、あまりにも。
父さんの説明曰く、俺らが育ったら伝えるつもりだったらしいのだが気を逃してしまい、伝えるのが遅れてしまったこと。あと俺らの仲が良すぎて変なタイミングで伝えてしまうとその関係性が壊れてしまう可能性があるから伝えなかった等、色々な言い訳を聞かせてもらった。
要するに、忘れていたのだ。父さん……。
睦月も同じような説明を受けていた。母さんも忘れていたらしい。母さん……。
とまぁそれはもういい、終わったことだからな。終わったことに何言っても意味は無いのである。
それよりも睦月だ。急にこんな事を言われたから混乱してるだろうとは思ったが……
「え…えっと……兄貴……?それとも暁さん?暁兄さん?ここはお前でもいいか……?」
「なんでもいいがお前はやめてくれ、悲しくなる」
「だって血が繋がってないんだよ……?今までみたいに兄貴を殴れない……」
「血が繋がってても無くても殴るのはやめて?普通に今日死にかけたからな?」
「死ねばよかったのに」
「妹が辛辣だぁ」
「妹……」
「別に今のまんまでいいだろ。なんも変わらんし。」
「でも兄貴を殴れなくなる……」
「殴んな」
妹が義妹であると知ってから1週間が経った日の朝。
あれから睦月は朝、起こしに来なくなった。
まぁ殴る蹴るなどの暴行を受けることは無くなったので大変快適ではあるのだが、如何せん起きるのが苦手なので四度寝位までしてしまう。今日は五度寝した。
夏休み中なので問題は無いのだが、時間を無駄にした感がとてつもない。自業自得である。
「はぁ……」
居たら嫌だが居なくてもまぁまぁ嫌だな。
それにしても以外だ、あの睦月の事だから「義妹がなんだ!妹となんも変わらないだろ!」とか言って殴り起こしに来ると思っていたのだが。これが思春期ってやつか。もしくは反抗期。兄離れとも言うか?
…いつもは遠慮なく接していたが本当は嫌だったのだろうか。これはやっぱりちょっと1回話し合いとかをして距離感を考え直さないと。というのも同じような提案を血が繋がっていないと言われた日にしたのだが。別に対応は変えないしなんとも思ってないという事で睦月に断られたのだ。全然対応は変えてきたし何かは思っていた訳だが。
そんなことを考えているとまた眠くなってきてしまったので流石に6度寝は勘弁して欲しいというのもあり体を起こす。いつ見ても俺の部屋は趣味部屋と言って良いほど物で溢れている。ベース、ギターはラックにかけてあるしラノベなんて何百冊あるか分からない。数えるのはめんどくさくなって辞めた。
本棚には好きなアニメの フィギュアが置いてある。典型的なオタク部屋だな。
その中でも一際目立つのはやっぱりPCだろう。最近のPCらしく虹色に光っていてちょっとやかましいそれは親に金を貸してもらって揃えたものであり、この世のほとんどのゲームを高画質でできる代物だ。そして俺の仕事道具でもある。通信学校に通っているため暇な時間が多く、親に金を返さないといけないのでバイトをしているのだが、どうせならPCを使いたいって事で動画編集のバイトをしている。これが結構良い稼ぎなのだ。それに飽き足らず自分で動画投稿もしているのだが、かなり好評で登録者は右肩上がりである。嬉しいことだ。
まぁそれも妹が声を当ててくれるからなんだが…最近は何かと断られてしまう。そろそろ対応をしないと早く動画出せと言われるのだが。どうしたものか。と思いながらベットに体を沈みこませる……ってこれ6度寝するパターンや、起きよう。
何とか体を起こしベットから抜け、自分の趣味部屋を出る。相変わらずボロボロなドア君を開けようとドアノブに手をかけるが、そこであることに気づく。
ドアの向こうに何かがいる気配がする。恐らく生きている。
親だったら何も言わずにドアをぶち上げてくるので違う。だとしたら不法侵入者か睦月だろう。もしくは霊的な何か。途端に開けたく無くなったな。
ドアの向こうの何かをどうしようかと考えていると、それは突然たっぷりと息を吸い、そしてゆっくりと息を吐いた。簡単に言えば、深呼吸をした。そしてそれはこう言った。
「兄貴…暁兄さん……おきてますか?」
「あぁ、今そっち行くからちょっとどいてくれ」
そう言って俺はドアノブを回す。睦月だったか、霊的な何かじゃなくてよかったよかった。
「……じゃあ、ちょうどよかった」
「ちょうどよかったって……何がぁぐぅっぐはっ」
俺は吹っ飛ばされた。
……1度落ち着いて状況を確認しよう。「がぁ」で思いっきり蹴られたドア君に顔をぶん殴られ仰け反り、「ぐぅっ」でドア君にタックルされ吹っ飛んだ。そして「ぐはっ」で床への汚い着地。審査員がいたら満面の笑みで0点の看板を掲げるだろう。この間2秒。俺の体のライフはもうゼロです。
この状況を作った当の本人は開け放たれたドアの前で爆笑している。思い悩んでたさっきの数十行をかえしてほしい。切実に。
「兄貴吹っ飛びすぎじゃない!?いやぁ、1週間我慢したかいがあったね!」
「お前ほんとに時間返せよ!?」
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睦月はボブです。俺の作品のヒロインは大体ボブです。




