08 エルフとこの「世界」
ムギホシの話を聞いたので俺が以下にまとめるぞ。
・種族名はエルフ族
・他の種族は、エルフ族、ヒューマン族・亜人族・獣人族・魔人族といっぱいいる
・例えば虎鉄が間違えられたのはケットシー族で亜人族の一種。ゴブリン族は獣人族の一種とのことだ
・種族によってヒューマン族か亜人族か、とか分ける者によって違うそうだ。ようするにテキトーってこと
・でも魔人族だけは自他ともに魔人族だとわかるとのことだ。なんでも魔理力という霊理力とは違う力を使うらしい
・すべての人種をまとめて「人間」と言う
・この星の名前は惑星エルフィニア。恒星ルーンに第4惑星とのこと
・300年の戦争の末、エルフィニアは500年前に滅びた
・戦争は星間というか隣の星系とかその隣の星系とかを挟んだり挟まなかったりした泥沼の戦争だったそうな
・エルフ族とヒューマン族と亜人族と一部の獣人族が、魔人族と獣人族に分かれて戦ったとのことだ。ルーン戦争とも言う
・エルフ族の星、エルフィニアが壊滅状態になって滅んだが、その後人間の人海戦術で引き分け状態に持ち込んで今に至る
・この星のエルフ族は戦争で死んだか他の星に逃れたそうだ
・なんでも星系だけじゃなく銀河系をいくつもまとめたのが、この「世界」だと言われるそうな
・星を出て行く時は宇宙船に乗るのが普通とのことだ。他にも手段はあるみたいだけど「わからない」と言われた
・ここまで読めばわかると思うが、この「世界」の科学は地球なんか足元にも及ばないレベルだ。
・いろいろ聞いたが簡単に言い表すとスペースオペラのような世界だってこと
「わかりやすくっていいニャ」
と言うのは虎鉄のお言葉。
しかし、エルフとかゴブリンとかこの「世界」から地球に伝わったのかねぇ。もしかして地球から伝わったのかも?と今考えてもわからんなぁ。
最後にムギホシについて。今度はこちらから聞いてみよう。
「そういえば、あのゴブリン達はなんなの?」
「あいつらはたまにやってきて密漁とか遺跡の発掘とか悪さをするのよ。殺す気で撃ってくるし」
心からイヤーな空気を出すムギホシ。
「だから、いつも奴らの妨害をしているんだよニャ?」
「あいつらも命懸けで来るからこっちも命懸け」
「でも一人で勝てるとは強いな」
「巫女はあれくらい余裕よ」
なんだ? 巫女というのは俺が知っている巫女とちょっと違うのかな。
「ムギホシは聖地の巫女と言ってたよね。ここが聖地の神殿なのかな」
「そう。ルーンの神殿と呼んでいるわ」
「広い神殿だニャ。他の人も紹介してほしいニャ」
虎鉄わざと聞いたな。その話を聞くか。でも聞かなきゃ進めないからな。
「……いないわ。この星の残っているのは私だけ」
「そうだったのか。ひょっとして星神を待ってたの?」
彼女は首を横に振った。
「さっきはそんなことを言ったけど、まさかと思ってたわ。でも星神様に関係する存在だとは思った。あと、全然敵意もないし――だから、あなたたちを手伝うわ」
「あらためて言うよ。ありがとう」
「ありがとうニャ」
「星神様と共にあれ」
星の子、いや星神かな。「星神様と共にあれ」って、それの教えなのかな、
あとムギホシの家族や仲間がいなくなったのは今は聞かなくていいよね。
虎鉄もそのつもりだったのだろう。別の質問をする。
「そろそろ服を着たいニャー。なんか恥ずかしくなってきたミュゥ」
「俺もTシャツとパンツだったわ。ごめん、なにか着るもので借りたりできるかな」
「あら、ごめんなさい。好きでそんな恰好してるのかと思ってた」
「ひどいニャー」
「服ならあるからこっちへ来て」
ムギホシは違う部屋に向かった。
「デリケートな諸々の話はまた今度ニャ」
「虎鉄、えらいぞ」
虎鉄の頭を撫で撫でした。
「なにしてるの? 服はこっち」
部屋の外からムギホシの声が聞こえた。
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「ぴったりニャ」
「自動で服のサイズが合うとかすげえ!」
俺達はムギホシに案内された部屋で服を借りた。
「着る人がいないからあげるわよ」
やったぜ。
ある程度のサイズは決まっているけど、微調整はナノマシンで行うみたいだ。これだけでもこの世界も科学力ってすげえな。
「色も変えれるわよ。ほらこのボタン」
「え、そうなの」
「オイラはこの色にするニャ」
虎鉄はグリーンにしたみたいだ。
ちなみに服とはツナギのピッタリとしたボディスーツのような感じ。
俺は汚れが目立たないのが嬉しいから、グレーにした。日本の伝統色の紫鼠といったらわかるかな。
「うん、さすが俺。地味な色が似あうぜ」
気になってステータスを見てみると――
『防御力:41⇒156』
「115も増えてる!」
「おお、本当ニャ!」
二人で小躍りしているとムギホシが苦笑いして言ってくる。
「この星が滅ぶ前に作られた服だから500年前のものなんだけど……」
500年前でもTシャツ&パンツ一丁と裸に比べれば!
「知能が増えたら恥ずかしい感情も発露したニャ」
複雑な表情をする虎鉄を見て、また撫でり撫でりとする俺だった。
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