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07 ルーンの民と聖地と

2024/2/27ムギホシの外見描写を忘れていました。すみません。

「ついて来て」


その黒い甲冑の人に誘われた俺達だったが、その前にまず聞きたいことがあった。


俺と虎鉄はすでに目を通してある程度のことはわかるのだが……


「あなたのお名前を教えていただきたいのすがよろしいでしょうか?」


そうなのだ最初に名前を聞かないとわからないのだ。


名前を聞かないとこんな感じで表示される。


『名称:ルーンの民

 性別:332

 年齢:♀    』

 

好感度は正真正銘の青色だ。

ちなみに脅威度は赤色だ。まあ、戦ったりはしないけどね。


そういえば今更だけど、俺と虎鉄以外はステータス表記は詳しく出ないそうだ。

名称、好感度、年齢、そして好感度と脅威度くらいだね。


しかしルーンの民に出会えたのは本当に幸運だったなぁ。

でも、やっぱり意思疎通できる相手には名前を呼んだ方が望ましいと思う。


虎鉄も「うニャ」と頷いている。


あ、年齢のことはまた後でということで……。だって332歳だよ。まだフルフェイスのヘルメットも被っているし……。


「ムギホシ」


彼女が頷きながら言ったので、それが名前なんだなと納得した。


声が若々しいと思ったのは内緒だったりもする。


そんなことを考えていたら無言で走りだしたので、俺達も走り出した。


「え、こちらの名前で聞かないの?」


「止まったら言おうニャ!」


走りながらナビを見てわかった。


今向かっているのは聖地だと。


*********************************


「けっきょくノンストップだったニャ」


「そうだな。もうそろそろここが聖地か。地図によればココ!と出てても良いな」


「涼しいところだニャ」


断崖絶壁の壁に着いたところで走るのをやめて徒歩になった。

壁に小さな扉らしきものがあって、それを抜けると開けた場所に出る。


そこは比較的背に低い樹木の生えた広場だった。


木立の中を進むと建造物が見えてくる。


「なんか神々しいところだニャ」


「俺も前に行った伊勢神宮を思い出したよ。これは聖地の神殿か?」


「あ、やっぱり神殿に入るんだ。ムギホシが手招きしてるよ」


二人とも神殿の中に入って、ずんずん歩いてテーブルのある部屋に通された。


「あらためてご挨拶させていただきます」


そう言って、彼女はヘルメットを脱いでテーブルに置いた。


「ルーンの民、巫女のムギホシと申します。この度は星神様の御光臨感謝いたします」


なんか聞き捨てならないことを聞いたな! でも、とりあえず……


「若いな!」


と叫んでしまった。


332歳というからてっきり……。


「エルフと言うから若く見えるのは当たり前だニャ」


「それはそうだけど……ここまでとは。それにヘルメットを脱いだら背も縮んだぞ」


さっきまでは180センチだったけど、今はなぜか140センチだ。


ローティーンくらいの身長で、肌の色はほんのり青白く、耳もちょっと尖っている。髪は肩で切り揃えていて銀色。


ひな人形のような正真正銘の美少女だ。


ちなみに身体は黒いマット加工をした甲冑というか装甲服を着ている。


では、まずは名乗ろう。


「田中達郎です。地球人です」


「虎鉄ニャ。地球猫だニャ。よろしくだニャ」


彼女は微妙な表情だ。地球というのがわからないのかな。


「星神様ではないと?」


そう言って難しい顔をする。


なのでここまでの経緯をまずは説明することにした。


*********************************


「なるほど……そんなことが……」


ムギホシさんは信じられないが信じたいといった様子だ


「裸の二人が突然言うのも憚れるというか……」


「嘘はつかないニャ」


「嘘なんて滅相もありません。信じます。あなた様方から強い力を感じるので当たり前です」


「俺達が会った存在がその星神なんですね」


「じゃあ、ムギホシもオイラ達と一緒の『力』を使えるのかニャ?」


「それは無理だと思います。この宇宙の者たちは星神様の力を模した霊理力れいりりょくなる力を使います。わたしの使うのも霊理力です」


霊理力だって。俺達のスキルと違うのか。では、レベルアップはどうなっているんだろう。


聞いてみたら、レベルシステムはないと教えてくれた。


でも多分彼女は滅茶苦茶に強いな。赤だし。


「それで、はっきり聞きますが地球には帰れるのでしょうか?」


「…………この宇宙で繋がっているのであれば可能だと言えると……思います」


「歯切れが悪いニャア」


「その帰り方に問題があると?」


おそらくそれだろうと思って聞いてみる。


「繋がっていれば超空間航法でいずれは行けるだろうと思いますが…………非常に遠いと思います」


「それは如何いかほどで?」


……


…………


ムギホシは黙ってしまった。でも聞かないと俺達も進めない。


「言ってほしいニャ」


「……お願いします」


彼女は諦めたように漏らした。


「あなた様方にわかりやすく申しますと、たとえ1000年掛かっても難しいです。超空間航法で行って、です」


「「!!~~~~」」


俺達は上を見て声にならない悲鳴を上げる。


「でも『幸運値が二人合わせれば何とかなりそう』って星神は言ったニャ!」


おお! 虎鉄は超前向きだな‼ そうだな信じられないことばかりで何が起こるかわからないから、帰れるかもしれないよな。


「言いにくいことを教えてくれて感謝します」


「ありがとうニャ」


ムギホシは俺達二人がポジティブすぎるので逆に困ったのだろう。彼女は苦笑した。


「では、とりあえずこの星を出るということで?」


「この星とか他の星とかのことを聞かないといけニャいミュ」


「あと、ムギホシさんのことも。あ、俺達に敬語はいらないからね」


ムギホシは笑って「では、話そうと思います」と言った。


その後、彼女からこの星の歴史と文化とかエルフィン星系、はたまたこの銀河の話を教えてもらうことにしたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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