03 いきなり最初の戦い
名前も知らないこの星は、地球の熱帯雨林のジャングルのようなところだった。
といっても今目にしている場所しかわからないが……。
俺と虎鉄は夢でチュートリアルを見たので「とりあえずルーンの民を探そう」で意見は一致した。
でも「そのまえに色々試してみよう」も一致したのだ。
「イメージして虎鉄を見てもいいかな?」
「いいニャ。オイラも達郎を見てみるニャ」
お互い見せ合ってみたところこのような感じだった。
名称:田中達郎
性別:32
年齢:♂
虎鉄が好感度をイメージすると俺の全身が青色に光った
虎鉄が脅威度をイメージすると俺の全身が紫の青色寄りで光った
名称:虎鉄
性別:♂
年齢:5
俺が好感度をイメージすると虎鉄の全身が青色に光った
俺が脅威度をイメージすると虎鉄の全身が紫の赤色寄りで光った
視界に表示と色の光が見えた。それにしても虎鉄って強いなあ! 俺の方が負けるのか。
「昔もオイラの方が強かっニャ。今ほどではないけどミャ」
と、軽く言う虎鉄。えーそうなのかなぁ。ま、いいか。
今度はレベルとスキルを見ようかな。
と、その時――ガルルルッと近くで唸る声が聞こえた。
うわあ、野犬か?と思ったら目が三つあって牙が大きい。それに筋肉質で強そうで普通の犬とはまるで違う。
ナビを見てみたら好感度はまっ赤。脅威度は赤色寄りの紫だ。
『名称:トリニティ・ファング・ドッグ(3)』
3匹の中の1匹は年長でHP10の雌だ。♂の2匹は雌より小さめでHPは7だ。トリニティと呼ぶので3匹が1組かもしれない。
俺のHPを見るのを忘れてた! HPは8か! 微妙だな‼
虎鉄を見るとHP15と出る。虎鉄さんつよ!
そんなことより武器、武器! あ、イメージすればいいのか。
と、言ってる間にナイフを持って切りかかる虎鉄さん。
「虎鉄早いよ!」
「オイラから見たら青色寄りの紫だったんニャ」
そう言って三つ目の犬の一番大きな個体と戦う気だ。強い相手から先に叩くのか。流石、虎鉄!
俺の武器は――出た! 木の棒だった……。ワンドって木の棒かよ! なんでこうなるの……こうなったら木の棒で殴るしかないぞ!
弱い個体の2匹を相手にワンドを構え……そして、殴りかかった。
「おうりゃ」
避けるトリニティ・ファング・ドッグ。
「とうりゃ!」
ひらりと避けるトリニティ・ファング・ドッグ。
当たらねえっ。あ、虎鉄は1匹倒したぞ。すごい! これは俺も1匹くらいは倒さないと。
スキルはなんかないのかと思ってイメージしてみると……
あった! 火術の魔法Ⅰだ! どれくらいの攻撃力なのかわからないけどやってみるしかない。
使い方はイメージあるのみ!
「これでどうだ!」
思ったより小ぶりな火球が前方に放たれた。
あ、避けられた……。でもトリニティ・ファング・ドッグは心なしかビビってる気がする。
SPは19/20だから総量は20か。
それで火術の魔法Ⅰは『SP1(1pt/30分)』とあるから、とりあえず連続で19発は撃てるはずだ。
絶対当ててやる!
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「ハァハァ、やったぜ」
「おつかれニャ。もう手伝おうかと思たニャ」
「そう言うなって。あとSPの残りが3ptあったから上出来だよ。そういえば、俺の職能は魔法使いだったよ。虎鉄は?」
「オイラは盗賊だったニャ」
「カッコいい! いいなあ。ちなみに俗に言う『魔法使い』とは違うぞ! 絶対だぞ」
「なにを言ってるのかわからニャいミャ。どういう意味ニャ?」
「そうか。ごめん、忘れてくれ」
「へんな達郎だニャあ」
そのあと、ステータスを見せ合ったのだった。
■田中達郎
魔法使い
LV:1
HP:8
SP:20
攻撃力:1
防御力:3
STR:2
DEX:1
AGI:1
INT:6
MND:5
CHR:17
[アクティブスキル]
火術の魔法Ⅰ
[パッシブスキル]
なし
■虎鉄
盗賊
LV:1
HP:15
SP:5
攻撃力;3
防御力:5
STR:3
DEX:6
AGI:4
INT:3
MND:3
CHR:27
[アクティブスキル]
なし
[パッシブスキル]
物理回避率アップ
読んでいただきありがとうございます。