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20 星神様のメッセージ

「――聞いてるかぁ。


 泣く子も黙る宇宙ギャングのアビゲイル・ローゼス団のスラッシュ様とは俺のことだ!  


 愛する弟のリリアムを殺したのは誰だ! 出てこい!!


 殺してやる! 俺のこの星間爆撃機でなぁ!!!」


あのリリアムってゴブリンの下っ端だよな。


ギャングの親分の弟って、下っ端に見えて今後を期待させる人材だったのか。


「しかし、説明口調は素晴らしいニャ」


「バトゥ、ここはいいから先にエルフィンⅡでスタンバってくれ。俺達はムギホシを追うよ!」


「星の子案件だしニャ。行った方がいいニャ」


虎鉄の言う通りだ。何かが起こる気がする。もうすでに別の案件が起こってますが!


「わかりました。とりあえず無線映像は使えるので時間稼ぎをしておきます」


「助かるよ。しかしギャング相手に時間稼ぎって……」


「長い間働かせてくれたので、そのお礼がてら、ですよ」


バトゥに顔が「^_^」になってる。顔は笑っているけど、これは逆の感情だよな?


「なんと言ってやろうか楽しみです。さあ、お早く!」


なるほど、了解だ。


「達郎、早く早くニャ!」


駆け足状態の虎鉄も叫んでいる。


「走るぞー」と言うが早いか虎鉄の速さのついて行けない! 待ってくれー!


*********************************


「ムギホシはこっちニャ!」


そのあとナビを使ってムギホシの跡を追う。


神殿の地下深くに降りていく。


もう神殿ではなく鍾乳洞のダンジョンだ。


そして長い通路を越えた先にムギホシはいた。


「あ、ナビで追ってきたのね。忘れていたわ。ここは星神様の関係者だから入ってもいいけど本来はダメなのよ」


「今はそれどころじゃないニャ。で……ここが目的地ニャ?」


突っ込みを入れつつ虎鉄は彼女の目的地を聞いてみる。


「ここは聖地の聖域の中心地よ。そこにあるのが御神体よ」


そこは石が巨大なアーチ状に積まれた広いドームだった。


地面に模様が刻まれていて、その中心に3メートルの黒い像が立っている。


像は何で出来ているのだろうと思ったらムギホシが教えてくれた。


「エルフィン合金よ」


「「エルフィン合金~?」」


「私の装甲とかエルフィンⅡの外装にも塗料として使われているわ。


 この星しか採掘できない超硬度・超軽量でこの宇宙で一番硬くて軽い超合金なの。


 エルフィニアの発展はこれがあればこそのものだったの。


 その原材料が枯渇してしまったのだけれど……」


「この人って星神様ミャ?」


長い髪でローブを着た中性的な人の像だ。表情は穏やかに微笑んでいる。


「こんなに大きな人がいるのニャ~。びっくりだニャ」


それは多分違うぞ。


「像と像の周りを調べているんだけど何も見つからないわ……」


それを聞いて俺と虎鉄が叫んだ。


「そんな時こそナビの出番だろう!?」


「そうニャ!」


視界には像全体を指すカーソルが出ていた。


『像に力を注いでください』


なんか出たぞ!


「ミサイルに力を充填したみたいかニャ?」


おそらく『力』というのは霊理力だろうな。


「まずはムギホシが一人でやってみてくれ」


「やってみるわ」


ムギホシ一人でやれれば問題ないはず……。


『像に力を注いでください 1%』


『像に力を注いでください 2%』


ここまで1分。遅いな! ゴブリンが攻めて来ているのに!


たぶん俺達のSPでもやれるはずだと思う。やってみるか!


念のためムギホシを窺ってみる。無言で首を縦に振る。


「やるぞ。虎鉄!」 


「OKニャ!」


三人が両手を前に出して像に力を注ぐ。


『像に力を注いでください 50%』


凄い速さだ! そして10秒ほど経って――


『像に力を注いでください 100%』


おお、やったぜ!! これからどうなる?


像の下に機構があるのだろう。像が下がっていく。


その時だ。


視界に大きなメッセージが現れた。


『この惑星はあと30分で次元の狭間に秘匿されます。早く脱出してください』


三人は数秒が黙ってしまった。


「とりあえずエルフィンⅡに行こう! バトゥの事も心配だし」


「ゴブリンもあれから何も言ってこないが怪しいニャ」


「わたしもこの星を出るって決めてたから荷物を運んでてよかった……」


俺と虎鉄とムギホシはエルフィンⅡに向けて全速力で走った。

読んでいただきありがとうございます。

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