4 宣戦布告?
シュネーは一瞬で思考停止状態に陥る。
えっと……“戦う?”って……えっと……いきなり宣戦布告か?
なんで冒険者ギルドに?なんでここに?……という疑問符だらけの言葉があふれ出そうになる。
しかし、表情は何とかひるまずに同じ状態を保っていた。
そして、同時になんとか勇気を振り絞ることができた。
「すまんが、私の一存では受けかねる。私ではなく、ご領主又は帝国に先触れを出したのち、正式な使者によって伝えるのが筋ではないだろうか」
戦争の正式なやり方は知らないがそんなものであろう。
とりあえずギルドマスターごときが、そんな宣戦布告のような一大事を受けるわけにもいかないし、巻き込まれるわけにはいかない。
なんとか表情を取り繕いながら、フォルダーを見やるとすでに顔の血の気が引いていた。
“ふん、情けない奴め”
自分より慌てふためいてる者を見ると幾分心が落ち着いてきた。
「そうか、やはりご領主のところまで出向かなければならんか。たかだか球蹴りの試合なのだからこちらでも良いかと思ったのだが。……ではご領主のところまで挨拶がてら参ろう」
そう言ってケイバンは脇の二人を促して、席を立とうとした。