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39 ビギランサ枠

メンバー表忘れてたので最後に追加しました。

「さて、ルールについてはこれまで話してきたことで問題ないかと思うがどうかな?」


今日はケイバンが座長となり、ギルド会議室でルールの統一化やビギランサの打合せである。

メンバーは各チームの代表の6人だ。


チーム:レッドオライオン(熱い星)”アジズ・アギーレ”

チーム:フォートピュート(砦の槍)”ホセ・デ・シシリア”

チーム:スコークスキャバ(森の騎兵隊)”アル・ランダ”

チーム:ジャデスフォッサ(翡翠の戦慄)”ダニエル・モンロー”

チーム:フェヴィスキング(妖精の囁き)”イマノル・ランカステル”

チーム:テッケンギリニー(明けの兆し)”ニカ・ビガロンド”


ケイバンの言葉に集まった代表が口々に承諾する。


「まあ、いいだろう」


「とりあえずはいいんじゃないか」


「やりながら変えていけばいいだろう」


そんな声が上がり、主なルールは決まった。

ほぼ現代のルールに沿ったものだ。

ただこの世界には魔法があるので、その使用は禁止となっている点と種族間による能力格差の是正だ。

試合における魔法の禁止は一致ししてはいる。

だが種族間の能力格差は確実にあるので、身体能力的な格差をなくせるよう種族ごとに制限が必要だと思われている。

基本的に能力の低い人族に合わせることが上げられているが、程度や負担割合は決まっていない。

今日はその具体案についての話し合いである。


これまでの案としては、身体能力高い種族にはそれぞれに合わせて重りをつけてもらうといった意見が出ている。

問題点としては、同じ種族によっても個々の能力の差はあるため種族でハンデ(重り)を負ってもらうのか、個人にするのかといった点だ。

種族だけであるならば難しくはないが、個々となればどのように判断していくかが難しい。


「まあ、難しいのは確かだが定期的に判定会議でも行えばいいんじゃないか?」


獣人・亜人のメンバーを抱えたアル・ランダが口を開く。

スコークスキャバ(森の騎兵隊)にはB級冒険者の獣人・亜人が多い。

B級とC級の冒険者では基礎的な身体能力が違う。

なのでビギランサについての行く末は気になっているところだ。


「いや、それよりもその”重り”は何かを身に着けるってことか? 何かを着るってことは暑くなるんじゃないか?」


ダニエル・モンローは厚着になるのが気がかりであった。

彼のチームは全員エルフだ。

全員が大なり小なり対象となるのだ。


「そういった体を守るための魔法はいいんじゃないか?」


これまでの試合では支援魔法ぐらいは黙認されてきた。

そういった経緯を踏まえてニカ・ビガロンドが聞き返した。


「いや、一つでも許せば他の魔法も見逃すことになるからやめたほうがいい」


ホセ・デ・シシリアが反対する。

誰かが魔法を使えば、別の魔法の使用が分かりづらくなるものだ。

詳しいものが見ればわかるのだが、審判が魔法に熟練していないとむずかしい。


「ただ、”重り”を身に着けるってことは接触したときに危ないんじゃないか?」


確かにホセの言うことには一理あった。

これには複数人が同意した。


「「確かにそうだな。皆鎧を着てするわけじゃないしな」」


一瞬沈黙があったが、ケイバンが提案する。


「ならば逆に強化魔法をかけるってのはどうだい?」


まあ、これまでその方法できていたので皆の理解は早い。

ただその場合、”強化魔法では埋めきれない差”のある選手はいた。

ただそういう選手はある程度相手を気遣ってのプレーとなっていた。

”思いっきり蹴らない””パスに専念する”といった手を抜いたプレーだ。


「そうだな、どちらかといえばそっちのほうがいいか」


「まあ、今までも支援魔法までっていう制約でやってこれているんだから」


やり慣れたルールに近いので、賛成意見は多かった。


「そうだなそれで調整していこう。ただ獣人種や亜人種の中でも特に身体能力が高い者達についてはある程度制限が必要だな」


”それでも力の差がある以上できるだけ危険は避けたい”という思いからアジズはそう言った。

だが、”できれば手を抜かずにできるようにしてはやりたい”というのも本音だ。

そこでケイバンから助言が入る。


「いや、それはそれで駆け引きもできる要素になりそうだな。特に身体能力が高いと認められた者は、指定された枠内であれば出場できることにすればいいんじゃないか。まあ、特異性を加味した制限をする必要がなくなったから逆にビギランサ枠ということでどうだろうか」


これは狩りとは違い、サッカーである。

ボールをビギランサ枠に渡さなければいいだけである。

確かに考え方を変えれば狩りとは違って護衛のようなものである。

強い魔獣がいれば近寄らせなければいいのである。

したがって戦術的な要素が増えることにもなる。


「なるほどビギランサ枠の使い方によって得点が増えるし、どのように封じるかによっても試合の流れが変わるってことか」


特に力の強い種族としては獣人族のワーウルフやウォーティグレ、亜人族ではオーガ(鬼人族)やリザニアン(銀鱗族)が知られている。

そういった者達にボールを集中させる、もしくは渡さないが勝敗の鍵となる。


「そうだな。じゃあ、カルロス・ベイティアやゴルカ・ピネードあたりは決定だな」


笑いながらイマノル・ランカステルが揶揄う。


カルロス・ベイティアはオーガ(鬼人族)であり、ゴルカ・ピネードはウォーティグレだ。

冒険者としてもアタッカーとして名は知られている。

あわててアジズが止めに入る。


「おい、ちょっと待て。そのあたりはちゃんと話し合ってだな……」


このあとはグダグダな世間話になりそう流れだ。

ケイバンが割って入り、ひとまず妥当な線が見えてきたところで話し合いを切り上げる。


「まあ、そのあたりはこれまでみんなやってきた仲だ。話し合いで指定してやってくれ」


初期メンバー表


挿絵(By みてみん)

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