表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/115

3 ケイバン

“ケイバン”・・・シュネーの記憶では聞いたことのある傭兵の名前であった。

その名は冒険者や傭兵の間でも囁かれ、1000人の兵を前にしても引かず、ドラゴンにさえ立ち向かうと言われるほど強者だ。

そんな剛の者が“鋼の大森林”の冒険者ギルドマスターとなったことは、最近伝え聞いたばかりであった。


そんな人物が訪ねてくるなんて驚きを隠さずに、さっきまで優雅なひと時を無駄に過ごしていた自分を呪い、目の前の人物にシュネーは目を向ける。


「突然忙しいところ、面会を申し出てあいすまん」

一番先に言葉を発したところ、この均整は取れているが偉丈夫な男がケイバンなのだろうと思いつつ後ろに目をやると、そこには全身をマントで包んだ仮面の者と自分よりも背の低い少年のような男がいた。

仮面の者はまるで気配がなく、これまでのどの人物とも比肩しがたい者であった。

シュネーとしては、人であるのかさえ分からない、言うなれば、影や物の様に感じたのである。


少年のような男は、見間違うことはない。

“人”そのもので、しかも普通の“人”であった。

唯一、シュネーが安心して目を向けられる存在がいることに安堵しながらも、ケイバンが差し出した握手に手を添える。


「いや、かまわない。丁度一区切りしたところだ」

シュネーは、ケイバンのオーラを感じながらも平静を装いギルドマスターらしく返す。

客人にソファーに座ることを促し、飲まれまいとしてケイバンへとしっかり目を向け、切り出す。


「今日はどういった用件だろうか?」

しっかりと見据えた、シュネーに対して、ケイバンは特に気負った気配もなく答える。


「此度、こちらで戦うことになった。ついては事前に話を通しておく必要があると思うが、どこに行けばいいか見当もつかんのでこちらに参った・・・」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ