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第185話 神々顕現

「――ッ!?」


 最大チャージで放った“ミストルティン”の一撃。

 大陸にいる者すらも思わず揺らめき、何人か倒れ込んでしまう程の衝撃。その破壊力によって、文字通り地形が変わっている。

 キノコの様に塵を上げる巨大な黒煙からしても、戦略兵器の名に恥じない破壊力だと言わざるを得ない。


「大陸周辺に生命反応無し! 第一射は成功ということで……」


 だがそんなアンブローンの言葉に誰もが湧く中、俺とゼインが地を蹴り飛ばしたのは全く同じタイミングだった。それは“禁忌魔眼・解放スペリオル・エクシード”を発動したことも含めて――。


「“混沌祓う聖魔の双戟アトミックカオス・インフェルノ”――!」

「“天上統べる帝王の裂断(カイザー・スクリーム)”――!」


 聖魔双閃、紅蓮剛閃。

 特大黒煙を貫いて迫り来る白い極光に刃を叩きつける。


「“追憶哭く深淵シェイド・ナイトレイド”――」

「“憤怒の女王レイジ・オブ・スティンガー”――!」


 続けざまに翠紅の斬撃と紫蒼(・・)を纏う砲撃が飛翔。

 別角度より迫り来る黒紫の球体を迎撃する。


「“暁闇燦めく明星(グロリアス・シュテル)”――ッ!」

「“巨人の剛撃(ティタン・バースト)”――ォ!!」


 更に別の角度からは巨大な雷が迫り来るが、いち早く衝撃から立ち直ったセラとオージーンが素晴らしい反応で対応。蒼銀の大刀と白銀の戦斧で猛々しい雷を跳ね上げる。


 歓声からの絶望。

 誰もが正面を睨み付け、険しい表情を浮かべていた。


「――ふぉふぉっ、随分な挨拶じゃのう」

「自ら攻め上がって来る愚か者が現れようとはな」

「まあ、いいじゃねぇか。暇つぶしにはちょうどいいだろ?」


 オーディン、トール、ロキ――姿を現したのは、無傷の三神。

 神々と同様、辺り一帯が焦土と化している中でも、連中が住まう宮殿や遺跡、神殿は、損傷など欠片も見受けられない。“ミストルティン”の射程範囲内に収まっていたにもかかわらず――。


「とはいえ、少々やりすぎかのぉ……。非道なんぞと言うつもりはないが、黙って見過ごすわけにもいかんだろうて……」

「迎撃ッ!」


 髭を()きながら首を傾げていた好々爺。

 掌を向けられれば、掌底の要領で白い魔力の塊が飛んで来る。


「ちぃっ!」


 黒翼飛翔。

 蒼金の光を煌めかせ、奴の魔力を吸収して消耗した分以上の力を己の中に取り入れる。


「ほぅ……やはりその力、面妖よのぉ……。加えて、その光……下等な民が持つには過ぎた玩具(おもちゃ)じゃ」


 攻撃を防いだのも束の間、次の瞬間には背後の“ミストルティン”に向けて、巨大な槌が振り下ろされようとしていた。


「我らを劣等種とするつもりかッ!?」

「だから貴様らは気に食わんのだ!!」


 そちらには、オージーンとゼインが対応。

 力任せに押し合う。


 とはいえ、相手は雷の神にして神話最強クラスの一柱――トール。

 雷槌――“ミョルニル”による一撃を防ぐのは、あの二人をもってしても容易ではない。


 更にロキの人差し指からは先ほども見た紫の球体がいくつも出現し、“ミストルティン”へと迫り来る。


「ここで退くわけにはいきません!」

「そうね、全てを無駄にするわけにはいかないわ!」

「今日ばかりは同感……」


 対しては、セラ、エゼルミア陛下、フェリスが迎撃。

 次々と魔力球を撃ち落としていくが、相手は神話最大のトリックスター――ロキ。


 球体が巨狼や大蛇など異形の形状を取り、意志を持ったように迫り来るのだから変幻自在。全能と武神――他二人ほど分かりやすく圧倒されるわけではないが、戦い辛いのがひしひしと伝わって来る。


「このままじゃ押し込まれるよ!」

「とんだ化け物ね!」


 そんな情勢を見てか、フリーになっていたアイリスとフレイヤが支援砲撃を放って援護。


「――!」


 これまで力を蓄えていたニーズヘッグも元の姿を取り戻し、灼炎を放って攻撃に参加し始めていた。


「強き者たち……じゃが、それだけでは」

「この状況でよくそんな涼しい顔を……!」


 オーディンの神槍――“グングニル”と打ち合う俺もまた、険しい表情を浮かべている。だが希望がないわけじゃない。アンブローンが前線に上がって来ていない辺り、“ミストルティン”の再チャージは進行中。


 恐らく、さっきの一撃はこの連中に迎撃、もしくは元々守護結界のような物を根城に敷いていたが為に有効打となり得なかったのだろう。

 だとしても、今この状況であれば、至近距離でぶつけることが出来るはず。いくら神話の神々とはいえ、あの大出力を直接浴びせることが出来れば、突破口となり得るはずだが――。

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