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紫花

作者: 根暗

登場人物


酸塊紫花スグリ シカ

待雪希美マツユキ キミ

・上司



慌ただしく電話が鳴り響くオフィスのなかで事務処理に追われていた。

上司が紫花のデスクに大量に束ねられた書類を置く。上司は書類は今日中に終わらせるように無理難題を押し付けその場を立ち去る。紫花は上司を呼び止めようとするが、声が届かない。紫花は自分の周り見えない壁があることに気づく。見えない壁は四方八方にあり、紫花を閉じ込めている。壁は徐々に紫花を握り押しつぶそうと迫ってくる。壁を叩いて助けを求めるも回りに声は届かず。


目を覚ますとマンションの自分の部屋のベットに横たわっていた。

紫花は悪夢にうなされていたことに気づく。

仕事疲れで寝ても覚めても嫌な思いばかりをここ最近している。

再び眠りにつこうとするがカレンダーに目をやる。親友である待雪希美が参加する《サーカス》を鑑賞する予定が入っている。

学生時代、二人は学校が同じで親友だった。

当時二人はお互いの夢について語り、紫花は俳優に希美は《サーカス》の団員になることを宣言し合っていた。

卒業してからも定期的に連絡する仲で、少しずつ夢に向かっている希美を見て喜ばしい反面、社会の歯車として息苦しい生活送っている自分と比較してしまいさらに息苦しい思いをしてしまっていた。テーブルの上に置いてある俳優育成の専門学校のパンフレットを手に取りごみ箱に捨てて再び眠りにつく。

 サーカス鑑賞の当日、会場に到着し席に着く。

サーカスのパンフレットを見る紫花。希美の姿も載っていて笑みを浮かべる。

会場が暗くなりサーカスが始まる。団員がそれぞれアクロバティックな技を披露する中、希美も同じく自らの技を披露する。

人間とは思えない技を次々とこなしサーカス団員達は観客を魅了する。

最後は希美の大技。観客は固唾を飲んで見守る。今まで見たことのない表情を浮かべる希美。紫花も手に汗握りながら希美を見守る。

大技を見事に成功させて観客から拍手を浴びる。

希美は観客席に座っている紫花に気づき大きく手を振る。

紫花は手を振り返すと同時に夢をかなえて活躍した希美の姿を見て感極まって目に涙を浮かべる。

 同日、リモートで会話をする紫花と希美。

紫花は希美の活躍を感動したことを伝える。

希美は見に来てくれたこと、そして夢をかなえられたのは紫花のおかげあることを述べる。

紫花は驚きを隠せなかった。自分は何もしていないのに、なぜ自分のおかげなのか不思議だった。

学生時代、お互いの夢について語り合い夢を実現することを約束した時のことが希美の原動力になっていた。

そのことを知ると、紫花は胸が苦しくなった。

希美は自分との約束を忘れずにただひたすら夢に向かって努力を惜しまなかった。それに比べて自分は夢に対して臆病になり、自分はきっとできるはずがないと勝手に理由をつけて現状から抜け出そうとしなかった。

紫花はゴミ箱にクシャクシャになって入った俳優育成の専門学校のパンフレットをチラッと見る。

希美は紫花の夢の進捗について尋ねる。

紫花は自信が無く夢に挑戦することができないでいることを述べる。

希美は挑戦せずに後悔するか、挑戦して自ら変化を起こすのとどちらがいいかを紫花に問う。

紫花は夢に挑戦する決心をし希美に感謝する。

リモートを終え紫花はゴミ箱に捨てたパンフレットを拾う。

 翌日、電話が鳴り響くオフィスで仕事をする紫花。そこは悪夢で見た光景と同じ光景だった。

上司が紫花のデスクに大量に束ねられた書類を紫花のデスクに置く。

紫花は上司を呼び止め大量の書類を返す。書類の一番上には退職届がある。

紫花を呼び止めようとする上司だが気にせず紫花は職場を出ていく。



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