表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はるか ワケあり転校生の7カ月  作者: 大橋むつお
20/95

第三章 はるかは、やなやつ!・2

はるか ワケあり転校生の7カ月


20『ポッカーン!』




 演劇部は……まだペンディングです。

 

 おもしろいからペンディング。


 なんだか矛盾……わたしって臆病だから。


 バスルームに映った自分の体は、思いの外、大人びていた。でも、乗っかっている顔は、荒川に越してきたばかりのガキンチョの頃のように怒っているように見えた。


 吉川裕也、こないだのメールでアカラサマ。


―― デートしようぜ! ――


 思い返すと、わたしの彼に対するホンワカには、そう言わせる「媚び」があったのかもしれない。

 ……ま、いいか、悪い人じゃなさそうだし、一回ぐらい大阪の名所案内してもらうのも。

 

 湯おけを逆さにして湯船に沈める。湯船に沈めるときの抵抗感がおもしろい。湯船の底に着いたところで、ホワーンとひっくり返す。


 ポッカーン! 


 大きな泡が、目の前で爆発。快感!


「アハハハ……」


 笑ってみる。ガキンチョのころよくやった。


 もっとも、あのころは、泡の向こうにお父さんかお母さんがいたんだけどね。


 成城のころはお風呂も大きかった。荒川に越してからは、両親ともども忙しかったことや、お風呂が狭くなったこともあって、お風呂では、お母さんに髪を洗ってもらうくらいで、このポッカーンは、あまりやる機会がなかった。


 寝る前に、広辞苑の蓋をとってみると、マサカドクンが、例のポッカーンをやっていた……。

 これ以上真似されてはたまらないので、あらためてドスンと広辞苑で蓋をした。一瞬マサカドクンと目が合ったような気がした。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ