２１ ”伝説の勇者”カケル
読んでくださってる方、ありがとうございます！
魔王城
「なあ、魔王」
「ん？何じゃ？」
「俺も角が欲しいぞ」
「いきなりどうしたのじゃ！？」
「俺も、やっぱりボスとして、もっと強くなりたいなって思うんだ」
「角をつけても強くはならんと思うのじゃが・・・」
「強そうには見えるだろ？何か方法はないか？」
「仕方ないのう・・・ホレ。
ワシのを貸してやる」ヒョイ
ふぁ！？
「それって着脱式だったのか！？」
「そうじゃが、言っておらんかったかの？」
「初耳だぞ！」
「いいから、つけるのじゃ」
「あ、ああ。ありがとう」
ニョキ
「うむ、ワシもスペアを取ってくるのじゃ」トテトテ
スペア！？
「持ってきたぞ」トテトテ
「おい・・・」
「何じゃ？」
「明らかにサイズがあってねえだろ！
そっちを俺に貸せ！」
「むむー、お主はわがままじゃのう」
ニョキニョキ
『警告、ダンジョンに侵入者です』
やれやれ、ダンジョン登録してから毎日これだ。
「魔王、ステラ、いくぞ！」
コク
コク
俺は、エクスキャリバー(笑)を握りしめた。
「テレポート！」
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「ぐぎ！」
ぽよよん！
「ああ、わかっている。みんな、配置につけ」
敵は・・・１人か。
ギーーーーー
「お前がボスか！」
「ああ、いかにも」
「俺はカケル！伝説の勇者になる男だ！」
「そうか、カケル。
残念だが、貴様はここで死ぬ。テレポート！」
俺に合わせて、マントに隠れた魔王がテレポートを使う。
カケルの背後をとった俺は、
おもちゃの剣をカケルの首元に突きつける。
「――――な！？」
・・・
「何で・・・殺さない？」
いや、殺さないんじゃない。
おもちゃだから、切れないだけだ。
「ふっふっふ、貴様の命が惜しくなってな」
「俺の命が、惜しい？」
「何千年も生きた我にはわかるのだ。
きっと、貴様はあと五年もすれば我に肩を並べられるだろう。
魔王の”カン”ってやつだな」
「俺が、魔王と肩を並べる？
本気で言ってるのか？」
「さっき、貴様も言っていただろう？
”伝説の勇者になる男”だと」
「お・・・俺が伝説の勇者に・・ムヒヒ」
やばい、変なスイッチが入ったようだ。
「だが、タダで生かしてやるほど我もお人よしではない。
お前の持ち物をすべて置いていけ。
なぁに、命と比べれば安いものだろう？」ふっふっふ
「わかったよ」
ポイポイ
「じゃあな、魔王」テクテク
「待て、伝説の勇者カケル（笑）！」
「なんだ？まだ俺に用があるのか」
やばい！
こいつ、メッチャ、ニヤケるのをこらえている！
バカだな！
賢さ見てみるか・・・
賢さ２だと！？
これじゃあ、ゴブリンと同じじゃないか！
１カケル ＝ １ゴブリン
「未来の勇者にささやかな餞別だ」クスクス
ポイ
「おい！これって！？」
「そう！魔剣エクスカルゴンだ！
こいつの精神支配に貴様は耐えることができるかな？」にやり
「っへ！やってやるさ！」
テクテク
今日の侵入者も、なぜか満足気に帰って行った・・・
ステータス
名 和也
種族 人間
称号 魔王の使い魔
レベル １
歳 １６
ＨＰ １０/10
ＭＰ １０/10
力 ２０
守り ２０
魔力 ２０
素早さ １０
賢さ １０００
運 １０００
スキル 鑑定 詐欺
所持ＳＰ ６
お金 ３５０００Ｇ
『魔王のダンジョン』
ランク Ｇ
ランキング ９９９９９９位
侵入者討伐数 ０
コア 赤
・ＤＰ ２０１００
・魔物
ゴブリン×１ スライム×１
・罠
エフェクトLv3
