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 「ケーキもらったんだ。愛美好きだろ?やるよ」

 「ありがとう。いただきまーす」話せたことよりケーキを食べれたことが嬉しくて今日はついていると思えた。

 「相変わらずおいしそうに食べるな。いろいろともらうし、またいつでも来いよ。ただ、お前警戒心薄すぎ」

 あっという間に平らげた私は口の中のものをのみこんで何のことか尋ねる。

 「だから、別に俺はそんなつもり無いけど。襲われたらどうすんのってこと」

 「あー、わかんない。別に誰の家にでも行くわけじゃないし。なんていうかな赤城君のことは信じてるから」小学生のころ、知的でよく遊んでくれた赤城君のことが好きだったことを思い出し、照れ笑いしながらつぶやく。

 彼との出会いは小学一年のとき。学校の宿題がわからなかった私は、一人で休憩時間に本を読む赤城君に話しかけた。

「あのさ、これ。わからないから教えてほしいんだけど」

「・・・・・」無視されたって気づかないでずっと近くに居たっけ。

確か赤城君はしばらくして、一瞬こっち見て俯いたけど

「何・・・?」て呟いて、すごく短くだけどわかりやすく教えてくれて、それで私は好きになったんだ。初恋だった。バレンタインにもチョコあげたし、たくさん遊んでいろんなこと教えてもらって、赤城くんのお母さんと赤城くんに「私赤城君のお嫁さんになる」って言ってた。思い出して顔から火が出そうになる。

 「・・・。寂しいんだ」しばらくの間下を向いていた彼は、ぼそりとつぶやいた。彼は窓の外の夕闇を見つめている。

 「本当の親離婚して父親に引き取られたけど、再婚して子供できたら家残して別の場所で暮らすようになった。父さんは俺のことなんか邪魔だったんだ。そんなこともできないんだ、ばかだね。だめだねって。兄さんは完璧な人だから」

 「そっか、辛かったね。私も少しだけ気持ちわかるよ。完全には理解してあげられないけど、寂しくなったらいつでも連絡してきていいよ」

 突然目の前の彼が小さくなったような気がして、彼を抱きしめる。涙が止まらない様子の彼はとても痛々しかった。

 「愛美・・・。でも愛美は黒崎のことが好きなんでしょ?僕と結婚したいっていってたくせに」

 「いや、翼君はただの友達だから」反射的に否定するも、幸いばれなかったようだ

 「そっか、よかった。僕も愛美のこと好きなんだ。ずっと前から、初めて僕に話しかけてくれたとき本当は嬉しかった。あのときから好きだったんだ、ずっと素直になれなかったけど。愛美のことなら何でも知ってるよ、黒崎より幸せにする自信だってある。だから、僕と付き合って」

 私を抱きしめて恍惚として呟く赤城君。赤城君が私のことが好きだなんて考えたことも無かった

 「ごめんなさい、考えさせて」

 早口で呟くと、私はその場を後にした。

 

 机に伏せていると丸められた紙がぶつかってきた、目前には笑っているマリちゃん。抗議すると酷くなると知ってるから私は逆らわない。翼君は副会長の志田さんとけんかしてる。相変わらずマリちゃんはしつこい。あきれ始めていると

 「お前らさ、いい加減にすれば?馬鹿なの?愛美と黒崎が仲いいから嫉妬してるの?そんなことしてても恋愛対象から遠のくよ」

 マリちゃんたちは、教室から走り去っていった。エスカレートはしないだろうけど後味悪い。かくしていじめは終結し、意外にも私のクラスではいじめがなくなった。

 でも偶然だか必然だか確証は無いけど、最近出かける度に赤城君に会うようになった。それに電話もメールも絶え間なく来る、いくらいつでも来ていいって言ったからって。赤城君は私のストーカー?


 「愛美?なんか困ってることあるだろ?暗いぞ。」

 「翼君」何も言わないでもわかってくれるなんて、優しい

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