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DOORs  作者: 日凪セツナ
17/18

エピローグ 「拝啓 六年前の俺へ」

 風が、銀髪を撫でる。水色の瞳を細め、シュナは顔を上げた。

「なぁ、ソリア」

「何よ」

「俺の選んだ道、正しかったよな?」

 シュナの視界には、果てしなく続く廃墟が広がっていた。シェルターから遥か二百キロ、ロボットによって滅ぼされた、地方都市だ。

「何億人って人が死んだ。死なない道は選べたんだ。だけど、」

「シュナ」

 ソリアはシュナの顎に手を遣り、自分を振り向かせる。そして、優しく微笑んだ。

「貴方は正しい。何億人もの命を、一人の人間が背負うことは不可能よ」

「そうだ。お前が間違っていたら俺は此処に居ない」

 アオが、鉄の手でシュナの頭を叩いた。シュナは露骨に顔を顰める。

「お前な! 重いんだよ!」

「そうか?」

「ソリア! 此奴の人格データ何でアオにそっくりなんだよ!」

「だってそれが一番、彼らしいもの」

 ソリアは笑って肩を竦めた。

「あら、ツァールトからメールが来てるわ。明日、金髪兄弟連れてくるって」

「へいへい」

 シュナは溜息を吐いて瓦礫を持ち上げる。頭上に広がる空は、以前はどんより曇って居ることが多かったが、最近では晴れて、青空が見えることが増えてきていた。

「で、何でそんな自問をするの?」

「いや。だとしたら、俺は……もう必要ないから分解したけど、あのメールで六年前の俺に、メールを送りたいな」

「どうしてよ」

「記憶失って、戦争中で、凄く不安だったけど」

 シュナはそして朗らかに笑った。

「案外、楽しい未来が待っているって」


(了)

これで終わりなのですが、番外編が一つあります。よって連載のみ続きます。ストーリーは此処で終了です。

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