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DOORs  作者: 日凪セツナ
14/18

第十三章 「Ⅲ」 星暦3020/8/13

 シュナを筆頭に、アプサラスのソリアとフィリア以外の全員が、西門の前に集合していた。フィリアは転送装置で第二外基地に待機しており、ソリアは本部から無線での支援を準備している。

「レジスタンス、これが最後の大仕事になると良いね」

 ツァールトが髪を掻き揚げた。先日二十三になったこの青年は、相変わらず、アプサラスのリーダーを務めている。

「二年も掛かってしまったけど、タイムマシンも出来たし、エネルギーも充填済み。アオが作れと言った集積回路も出来た。ケーブルも用意した。準備は万端だ」

「後は、俺達の腕次第、か」

「アオはXが存在する場所を知っているらしい。シュナがそこに行き着くことを第一優先に、全員、生きてX本部で会おうか」

 ツァールトが言って、レジスタンスの腕章を掴む。

「僕とナイト、ソレダーとアオで前後左右を固める。中心にはシュナ、一応護衛にサロスとアフティを付けよう」

 ツァールトが指示を出し、シュナは、自分の腕にはまっているソシオを見遣った。

「……アオ」

 そして、隣に立つ青髪の青年を見上げる。アオは小さく頷いた。

「作戦開始は五分後―――」

「ちょっと待った」

 アオが言って、一歩進み出て一同を振り返った。

「さて、今更だがお前達に聞きたい、お前達はどうしてタイムマシンを作った?」

「は?」

 サロスが怪訝そうにアオを見遣る。アオは妙に芝居がかった動作で両手を広げた。

「『シュナがそう言ったから』と言えば言い訳になるか?」

「……アオとシュナが言ったから、が一番適当じゃないかな」

 ツァールトが、アオの意図を読み取れないのか、目を細めて探るようにアオを見る。

「じゃあ、教えよう。タイムマシンを作った訳を」

「ああ?」

 ナイトが顔を顰めた。

「これはシュナも知らない事実だ。お前達は、Xを止められないし、世界を救えない」

「はあ!?」

 一人だけ澄まし顔だったシュナが、驚いたように声を上げた。

「何で、メールにも在ったし、Xの本部にはお前が」

「そうだな。だが出来ねぇんだよ。Xのメインルームには入れない」

「だけど、じゃあこの作戦は」

「だからあの基盤を作り、タイムマシンを作った」

 アオはツァールトの言葉に重ねるように言った。そして改めて、アプサラスの一同を見まわす。

「Xが持っているであろう、強大なエネルギーを利用して、タイムトラベルすることを可能にするプログラムを作った」

「……つまりよ、作戦自体に問題はねぇ、と?」

「いいや」

 アフティを見遣ってアオは返す。シュナが無言でアオに近付いた。

「この作戦にはお前達は必要無い。それだけだ」

「……おい、」

 何かを察したのか、サロスがシュナに向かって手を突き出す。が――――

 持っていた荷物をシュナが背負った瞬間、その背をアオが突き飛ばした。シュナが大きくバランスを崩す。サロスの手は空を掻き、

「うわぁあああああっ!?」

 情けない声を上げてシュナは城壁から落下した。

「なっ、てめぇっ!?」

 サロスがアオの胸倉を掴む。アオは小さく笑った。

「シュナの我儘だ。聞いてやれ。彼奴はお前達を二度も殺したくないんだ」

「二度……?」

「そういう事だ。作戦は二、三日先延ばしで頼む」

 アオはサロスの手を外し、城壁の淵に足を掛けた。

「――――納得できないな」

 その背に、ツァールトが鋭く声を掛ける。

「シュナは僕達を信用していないのかな?」

「……信用してるし、信頼もしているさ」

 アオは顔だけを振り返らせた。

「だから死んで欲しくないんだろう」

「それが納得できない。僕達が今更、戦場で死ぬような人間だと思ってるのかな」

 ツァールトはにやりとした。アオの顔が苦々しく歪む。

「……さっさと行けばいい。だけど忘れないことだね。僕は死んでも、仲間を一人で戦場に放り出しはしない。逃げようとするなら追いかけるのが信条だ」

「あのさぁ、シュナの気持ちは、」

「さっさと行けと言ったよな行けよクールぶるな」

 ツァールトがアオの背中を蹴り飛ばした。

「うわわわっ!?」

 アオも空中に放り出され、無様な悲鳴を上げる。ツァールトは鼻を鳴らした。

「……ぅおいっ! ちょ、それはあんまりだろツァールト!」

 サロスが一拍遅れて事態を理解し、声を上げる。ツァールトはけらけらと笑った。

「ちょっとは頭冷やせよー」

 ツァールトの声は既にアオには届いていなかった。高い城壁からの落下はそれなりに時間が掛かる。アオは体勢を立て直して腹を地面に向け、両手を地面に向かって突き出した。両腕の装甲が左右に分かれ、掌の円形シャッターが開き、穴が現れる。ガシュッ、と、部品が固定される音がした。

「っ!」

 アオは歯を食いしばる。穴から、強烈な衝撃波を伴うジェット噴射が噴き出した。アオの落下速度が死に、相殺された重力が一瞬ゼロになる。

 浮遊感も束の間、アオはすぐに地面に着地した。ガシュゥ、と部品が元の位置に戻り、アオの腕は通常のスリムな姿に戻る。

「シュナ!」

 アオは近くに蹲っていたシュナに駆け寄った。パラシュートが正常に開いたのか、怪我はしていないようだ。

「シュナ、大丈夫、」

「……っな訳在るかクソサイボーグ!」

 真っ青な顔で怒鳴り、シュナは立ち上がると同時に、振り向きざまアオの顔面に一撃を喰らわせた。



 アオとシュナが歩き出したのを確認し、ツァールトは踵を返した。

「さぁーて準備のし直しだ。あの二人に先を切り開いて貰って僕達はのんびり行こうよ」

「……どうするんだよ?」

「あの二人は死なないよ。僕達が護る」

 ツァールトは昇降機へと向かいながら、にやりとして一同を振り返った。

「シュナとアオは僕達を巻き込みたくないみたいだ。腹が立つから、巻き込まれてやろう」

「……ええと、」

「追うよ」

 ツァールトはそして、つかつかと歩き出す。呆然としていたサロスの顔が、見る見る獰猛な笑みに縁取られた。

「よっしゃぁ! やってやろうぜ!」

 サロスは、言葉を失っていたソレダーとアフティと肩を組み、声を上げる。ナイトは呆れたように小さく笑い、ツァールトの後を追った。

「で? どうやって追うんだ。彼奴らが居ないとなると門も開けて貰えないし、こっから降りるか?」

「ソリアが転送装置の準備を完了させている筈だよ」

「あ? あー……彼奴予想してたのか」

 ナイトは眉宇を顰め、頭を掻く。ツァールトは苦笑した。

「さ、行こうか、皆」

 ツァールトの号令に、サロス初め、一同が声を上げて腕を掲げた。



 アオは着ていたシャツを捨て、機械に覆われた上半身を露わにした。

「このままの速度じゃ時間が掛かりすぎる。飛ばすぞ」

「あ?」

 アオの肩装甲が上がり、両肩の後方に取り付けられている噴射孔が現れる。同時に、両腕の筋に光が走り、装甲の隙間から僅かに蒸気が漏れだした。

「掴まれ!」

「何処にだよ!」

 アオがシュナの腕を掴む。アオは地面を蹴ると同時にシュナを抱え上げ、ジェット噴射により急激に加速した。

「熱い熱い熱い熱いって!」

 シュナの文句を無視し、アオは速度を上げる。シュナは顔面をアオの胸元―――金属でとても硬い―――に押し付けられた。

 砂埃が舞う中、アオの目はその中に、敵の姿と数、距離を読み取る。

「敵か!?」

「付き合ってられないな」

「逃げるか、」

「全部燃やしちまおう」

 アオが地面に足をめり込ませてブレーキをかける。シュナは地面に放り出された。

「いってぇ!」

 アオは両の拳を握り、掌側を合わせて前に突き出す。腰を落として重心を下げ、体勢を整えると、指の関節、手の甲、腕、肩の前方などを光らせた。

 コォォォォ……と、エネルギーが集中する起動音がする。シュナは慌ててアオの後方に避難した。

「滅却……距離三十二・風速二・数五・耐久五十三・威力百五!」

 ゴウッ! と、灼熱のガスがアオから噴き出される。それは発射直後に点火され、爆撃となって相手を襲った。

 アオは一度、盛大に上がった爆炎を見回す。それから頷き、シュナの腕を掴んだ。

「今日中にXの本部に行きつけるようにしたい。走るぞ」

「……へいへい、自分で行けますよ」

 シュナはしゃがみ、ブーツの踝部分に取り付けられたリングを引っ張った。内蔵されたエンジンが起動し、両脇の吸入孔から空気を吸い込んで、踵の蒸気孔から噴き出す。シュナの体は前方に押し出され、シュナは慌てて重心を移動する。

「くそ、久し振りだからな……」

 アオは呆れたように息を吐き、シュナの背を叩いてバランスを取らせた。

「……えいっ!」

 少々情けない掛け声とともに、シュナは前に飛び出す。同時にアオも走り出した。

 遠くから、爆音を聞きつけてロボット達が近付いてくる。アオは舌打ちし、右腕を突き出した。肘から腕が二つ折りにされ、現れた砲口から弾丸が飛び出す。装填する場所が要らない、ガス弾のようだ。

 無表情でロボットを屠るアオを横目に、シュナはその緊張した顔に僅かに恐怖を滲ませる。

「……なぁ、アオ、お前は、」

「俺もXが憎い。お前と同じだ」

 アオは短く言って砲口を仕舞う。肩口から噴き出した蒸気が、青い髪を靡かせた。シュナは前を睨み、首に掛けていたゴーグルを着けながら微妙な表情をする。

「俺は……アフティが死んだからXが憎かった。けど……今勝ちたいと思うのは、只、アプサラスの皆が無事で居て欲しいからだ」

「そうか」

 アオは速度を上げた。シュナは必至でそれに追いすがる。

 瓦礫ばかりの景色が後方に急速に流れ、第二外基地を過ぎた頃。アオは足を止めた、シュナはその隣で膝に手を当て、息を整える。

「レーダーを展開するから、少し待ってろ」

「あ、あ」

 シュナは汗を拭く。どんよりと曇っていても真夏、立っているだけで汗が出る。それに加え、移動と戦闘を繰り返し、シュナはかなり疲弊していた。

 アオは目を閉じる。髪がざわめき、パリッ、と僅かな電撃がそこに走った。

「……南東か」

 アオは太陽に目を向け、歩き出す。シュナはそれに従った。

「……アオ、お前は、さ」

「あ?」

「サイボーグだろ? 元々は、誰なんだ? ソリアが信用する誰かだろ?」

 歩きながら、シュナはアオを見上げて問うた。

「……ドア『Ⅱ』では、アプサラスは誰も死ななかった。ヴェルグ……シュナ、お前を除いては」

「……だから誰だよ?」

「説明が面倒だ」

「名前一個で済む話だろ?」

 シュナは顎に流れてきた汗を拭う。灰色の空と灰色の景色は、熱にうなされた夢のようで現実感が無く、何か話をしなければ気が狂ってしまいそうであった。

 アオは足を止めず、真っ直ぐに歩いてゆく。

「……じゃぁせめてよ、俺がどうして死んだかを教えてくれよ。どうしてXの本部に行き着けない? ここはドア『Ⅲ』、お前が今まで居た世界とは違う」

「お前はXのメインルームに入れなかった。その原因はこの世界でも変わっていないから入れない。そして外に出たとき、第一級危険人物としてXに殺された」

「……そうかよ」

「だが今と同じように、お前はアプサラスの皆をシェルター内に置いていくことを選択した。だから皆無事だ。お前の死体は後から追いかけてきたサロスが回収した」

「……ちょっと待て、アオ、お前、」

「そうだ」

 アオはそこで、少しだけシュナを振り返った。鋭い眼光に、シュナは怯んだような顔になる。

「俺は全部知っている。俺はお前が死んだ後に作られた。だがお前のことも、これから何が起こるかも、知っている」

 アオは足を止めてシュナを体ごと振り返り、シュナの腕に在るソシオを指差す。

「そこには幾つかのメールが入ってる。そのうち一つ―――俺が此処に来た時のメールを、俺が居なくなったら開け」

「は?」

「件名は『拝啓 百年後の君へ』だ」

 それだけ言い、アオは踵を返して走り出す。シュナも慌ててブーツのエンジンを起動した。



「許さない」

 ソリアは机に手を付き、呻くように言った。

「ま……まあソリア、予想していたんだろう? 早速追いかけようと思うんだけど」

「そうね」

 ソリアの剣幕に、若干引いているツァールトを睨み上げ、ソリアは茶髪をペンで纏めた。そして、エネルギーを充填している転送装置を開く。

「第二外基地に繋がってるわ」

 ソリアの研究室の机には、シュナが書いたタイムマシンの設計図と、その理論と計算用紙が散乱していた。アオが書いた基盤のプログラムも在る。

「ソリア、今言った通り、彼らはXのエネルギーを利用してタイムトラベルをするつもりらしい。こちらのタイムマシンのエネルギーは転送に使われるらしいけど、起動は誰が?」

「私がする。メインルームに入るためにトラベルが必要なら仕方無いわ。でもこのままだとシュナは死ぬ」

「え」

「だからアオが来た……筋が通り過ぎていて気持ち悪いわね」

 ソリアは苦い顔になった。ツァールトも頷く。

「アオの行動自体が機械的だ。まるでシナリオに従っているかのように、無駄が無い」

「…………そうね」

 ソリアは顔を逸らして腕を組んだ。それから、壁に掛けてある無線機に近付く。

「……行くなら行ったほうが良いわ。あの二人のスピードは速い」

「そうだな。行こう」

 ツァールトが転送装置に乗り込んだ。

「………………さて」

 最後のソレダーが転送されたのを見、ソリアは無線を手に取る。

「貴方の予想通りになったわよ、アオ」

『そうか』

 間髪入れずに返事が返ってきた。ノイズ混じりのアオの声は落ち着いている。

「アオ……いえ、」

 ソリアはそこで、誰も聞いていないことを確認し、言葉を続けた。

「ヴェルグ・シュナイダー。武運を祈るわ。あなたはその姿のまま帰ってくることは、二度と無いのでしょうけど」

 返事を待たず、ソリアは無線を切る。そして椅子に座って深い息を吐いた。

 シュナは『Ⅰ』から来たヴェルグ・シュナイダーだ。メールシステムにより時空を超えて、『Ⅰ』からこの『Ⅲ』へとあのメールは送られた。アオは同じ道を進んでいた『Ⅱ』から、ヴェルグ・シュナイダーの死後に『Ⅲ』に来た。

 十分にややこしい状況だ。だがもう一通のメールの存在が、更に事態をややこしくしている。それが、アオが出現したあの日に読んでいたメールだ。

 あれは、時空を超える特殊なメールシステムを使っていない。一般的なインターネット回線に長期保存されていたものだ。

 実に―――百年もの間。

「人類は衰退しました、か」

 文献に在った言葉に、ソリアは苦笑する。

 急速な技術発展にも、結局限界は在る。百年前に人類は既にその頂点に達し―――そこからはそれに依存するだけの存在となった。技術を発展させることも、最大限活用することもなく、只享受し続けた。その結果、百年も前のメールが今も残っているのだから、悪いことばかりでは無いだろうが―――Xが人類を見捨てても、それを責める権利は在るだろうか。

「でも、私達に生きる権利くらい在るでしょう」

 そう言って、ソリアは頬杖を付き、白い壁を睨み付けた。



 アオは、眼前に立ちはだかった廃墟を見上げて目を細めた。

 全体的には灰色の箱型で、一般的な建物である。しかし、ガラス戸などは無傷で、明らかに攻撃を外されている跡が在った。

「此処が入り口だ」

 アオは扉を開いた。シュナは汗を拭き、ふらつきながら中に入る。

「……恐らくそろそろ命令が解除されるが、ロボットは基本的には人工の建物には入れない。此処は安全な筈だ」

「そうかよ」

「不安か?」

「……別に」

 シュナは何処か拗ねたようにそっぽを向いた。が、アオは全てを見通していると言うように小さく笑う。

「鍵、掛けて――――うわっ!?」

 アオがドアノブに手を掛けた瞬間、ドアノブが外側から弾け飛んだ。同時に、繋がった銃声が耳朶を打つ。

「……開いた開いた」

 何処か嬉しそうな声で言い―――両手に銃を構えたサロスが、扉を蹴り飛ばして現れた。アオは「しまった」という顔になる。

「追い付いたなぁシュナ。で、誰一人として怪我すらしていないんだがどうよ」

「……サロス……」

 シュナは床に尻餅をついたような格好で、わらわらと入って来た皆を見上げる。

「ソレダーは第二外基地に残してきたけど、俺と、ツァールトと、ナイトと、アフティ。誰も欠けてないぜ? 信頼してくれてもいいじゃねぇか」

 サロスが拗ねたように唇を尖らせて、慌ててシュナは両手を付き出した。

「信じてる! 信じてるよ! だけど、やっぱり万が一が在ったら嫌だし、」

「死なば諸共さ」

 ツァールトがライフルを担いだ。シュナは呆然として皆を見ていたが―――不意に俯く。

「……泣いていい?」

「あ?」

「後にしろ面倒臭い」

 アオはシュナの襟首を掴んで立たせた。そして、入り口付近の四人を振り返る。

「……やっぱり来たんだな」

「ああ。君達を一発殴ってやりたくてね」

「……蹴ったからもう良いじゃん……」

「そうもいかないよ」

 アオはツァールトに苦い視線を向ける。

「これはけじめみたいなものだから」

 言うなり、ツァールトは拳を固め、アオとシュナの頭に拳骨を喰らわせた。

「「~っ!」」

 二人は頭を押さえて蹲る。兄弟のようによく似たその格好が妙に面白く、ツァールトは口に手を当てて小さく笑った。

「仲間を信用しなさい。ちゃんと報連相を守りなさい。君達が僕達の未来を知っていても、それは既に幻想でしかないのだから」

 ツァールトは二人の頭を、優しく撫でた。

「君達は、二人だけで戦ってる訳じゃ、ないんだから」

 シュナは俯いて、僅かに目を伏せる。そしてやおら立ち上がると、ツァールトに凭れ掛かった。ツァールトは苦笑して、シュナの背を叩く。

「……ごめんなさい」

「はいはい」

「ごめんなさい……」

 シュナの様子に、アオは腕を組んで溜息を吐く。そして部屋の奥に向かい、扉を開いた。

「此処から先は、X本部に通じる、一番警備が厳しい場所だ。ロボット衛兵が多い」

 アオの言葉に、一同は表情を引き締める。

「心して行こう――――死なないように」

貴重なアオの戦闘シーンが好きです。そして伏線を回収しまくっていますが、プロローグの謎は未だ先延ばし中です。

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