「恋愛相談したいなら金を払え」悩みを抱える私にそう言ってきた友人→お望み通りお金を渡すと
「恋愛相談したいなら金を払え」
「えッ…?」
三年ぶりに連絡した元同僚であるタマちゃんは、私が彼氏の話題をちょっとだけ口にしたところで、こんなことを言ってきた。
言われた私は、当然のことながら息を飲む。
「私はその道のプロじゃないけど、それでも話したいならお金取るから」
まさか、こんなことを言われるなんて、誰が想像しただろう。
もしかしたら、私からの電話は彼女にとって迷惑でしかなかったのだろうか。
話すのが嫌なら、すぐに切ってくれればよかったのに。
「あの、タマちゃん、私…」
「相談料、三十分で一万円。それもらったら、話を聞くけど?」
友人というのは、困っている友人の悩みを無償で聞くものだと思っていた。
それが、恋愛問題であれ、もっと別なことであれ、そういうものだと信じていた。
金を寄越せなんて言葉、今まで誰からも聞いたことがないし、そんな言葉を口にするという発想もなかった。
『ふーん、タマちゃんって、こういう人だったんだ。まあ…私、友人っていうか、ただの元同僚だから、もう電話切っていいかな』
私はこう思ったが、タマちゃんの方は私とは違う温度で話していたようだ。
「それで、いつお金くれるの?」
私の名前は北川道子、33歳の会社員だ。
自分で言うのもアレなのだが、私は泣けてくるほど平々凡々な人間である。
学生時代から、勉強も運動も、中くらい。
テストで一位なんて取ったことはないけど、ビリ付近に沈んで親に叱られた経験もない。
マラソンでは息が上がって完走自体が難しいけど、短距離走なら上位八位には入れる。
男子にモテた経験はないけど、敬遠されたこともない。
そんな、平凡を地でいくような人間だ。
「あれ、そう言えば…」
ひょうんなことから体調を崩し、短期間の入院生活を強いられることになった私。
病室でただ寝ているのも退屈だと思い、ふとスマホを引き寄せ連絡先をスクロールしてみる。
スマホというのは便利だが、登録してもすぐに音信不通になる連絡先ができてしまうのが難点だ。
私には、そういうところを時折探して削除するクセがあった。
「うんうん、ここは削除、ここは…うーん、どうだろう?まだ使うかな?」
ただ削除すればいいというわけではない。
今は必要ないけれど、近い将来また使う連絡先だって、きっとあるはず。
そう思うと、むやみに削除もできなくて、消していいのか悪いのかに頭を悩ませることになる。
この作業をしていると、わりと時間の経過が早く感じられる。
だが、その時画面をスクロールする指が、ピタリと止まった。
「ああ、タマちゃんかぁ…しばらく会ってないけど、元気なのかなぁ?」
タマちゃんとは、本名を下井珠江といって、私がこれまでの人生で出会った中でも、ダントツの美貌を誇る元同僚だ。
三年くらい前まで、私の今の会社で働き、華々しく転職していった。
『年功序列なんてもう古いわ。私は外資で勝負するの。実力主義なのよ』
ガチガチの日系企業の中に、彼女の言葉は重く響いた。
上司には毎日お茶を淹れるもの、机の吹き掃除は女性社員の役目、電話対応も女性社員の役目。
私の会社にはいまだこういう文化が根付いていて、長くいるとそれが当然になってしまう。だから、彼女の言葉は本当に鮮烈だったし、颯爽と転職していく彼女がカッコイイと思えた。
そのタマちゃんの連絡先の真上で、私の指が止まったのである。
「どうしよう…電話、してみようかな…?」
私はあまり電話が好きな方ではないのだが、なぜだか無性にタマちゃんに会いたくなった。
だから、今夜にでも電話をかけてみることにした。
ここ三年連絡していないから、どうして電話をと思われるかもしれないが、聞かれたらこう答えよう。
「私、タマちゃんと話がしたいだけなんだ!」
夜八時──。
消灯時間まであと一時間というところで、私はタマちゃんの電話番号をタップした。
指はふるえているし、心臓もちょっぴりバクバクしているが、発信音が聞こえると「早くタマちゃんの声が聞きたい」となるから不思議だ。
彼女は美人でありながら、そのことを全く鼻にかけない人だ。
私みたいな普通の人間に分け隔てなく接してくれるし、何より笑顔が素敵である。
「もしもし?」
タマちゃんの声が聞こえると、私はベッドの上で前のめりになった。
「も、もしもし?下井珠江さんのお電話でよろしかったですか?」
どこぞのコールセンターのオペレーターのような話し方になってしまっているが、それでも私は必死だった。
「ふっ、ああ、みっちゃんね。何よ、そんなによそよそしくしちゃって?」
「へ…?」
「あなたの番号、登録してあるの。だから、ちゃんとみっちゃんだってわかってる」
少しゆっくりな話し方も、会話の中での間の取り方も、三年前に会ったきりのタマちゃんのものだった。
「それで、どうしたの?急に電話だなんて、びっくりするじゃない?」
「お、驚かせてごめん…」
さあ、ここからが勝負だ。
正直、私はただタマちゃんと話したかっただけなので、何を話そうかというところまでは考えていない。
もちろん、今入院中であることを話すつもりもなかった。
「謝らないでいいのよ。元気にしてる?」
「うん、まあ、ぼちぼち」
「あの会社、相変わらずなのかしら?」
「そうだね、あんまり変わってないかも」
そこで、唐突に今持っている「最高に相応しい話題」に気づいてしまった。
実は私、二カ月ほど前からお付き合いしている男性がいる。
今のところお互いを知るために、二人で色んなところへ出かけているが、年齢的にちょっとだけ「結婚」を意識するようにもなってもいた。
ただ、彼の方にその気があるのかどうかわからず、いまだ聞く勇気を持てずにいる。
普段は優しい彼だから、どう接したらいいんだろうと、ほんの少しだけ困っているのだ。
「ね、ねえ、タマちゃん?私ね、今お付き合いしている人がいてね…その、将来結婚とか考えるのって、不自然かどうか…率直なところを聞かせてほしいんだけど?」
「よし、よく言った、私」と、私はベッドの上で小さくガッツポーズをする。
会社の友達に話すにしてはちょっとばかり重たくて、彼に直接聞くには勇気がいる話だ。
だが、そこにとんでもない言葉が送られてきた。
「恋愛相談したいなら金を払え」
「えッ…?」
「私はその道のプロじゃないけど、それでも話したいならお金取るから」
まさか、こんなことを言われるなんて、誰が想像しただろう。
突然電話した私にも非があるのだろうが、話すのが嫌ならすぐに切ってくれればよかったのに。
「あの、タマちゃん、私…」
「相談料、三十分で一万円。それもらったら、話を聞くけど?」
友人というのは、困っている友人の悩みを無償で聞くものだと思っていた。
まあ、タマちゃんが私の「友人」の枠に入るかどうかは微妙だが、一応入ることにしておく。
だが、言うに事欠いて「金を払え」はないだろう。
そんな言葉、今まで誰からも聞いたことがない。
『ふーん、タマちゃんって、こういう人だったんだ』
私はこう思った。
電話をする前にドキドキして損したという気持ちはあったし、入院中に無理して電話なんてしなきゃよかったって後悔もしている。
「それで、いつお金くれるの?」
タマちゃんの問いかけに応じるため、私は無理矢理顔面に笑みを張り付けた。
「そうだなぁ、来週の土曜日なんてどうかな?」
私はもう、タマちゃんに恋愛相談を持ち掛ける気はなかった。
お金を払ったら、本当に相談事に耳を傾けるようになるのかどうかが知りたかった。
翌週土曜日、午後四時──。
入院中に療養できた私は、あれからすぐに退院し、その翌日からは職場復帰していた。
一週間くらい休んでしまったので、なかなか仕事モードになれなかったが、そんな気分の中「金を払え」というタマちゃんの言葉が頭から消え去ることはない。
私はこのことを彼氏に相談しようかとも思ったが、やめておいた。
女性の私に理解できないことが、男性の彼氏にできるものかと思ったからだ。
そして、約束の日になり、私は職場の近くのカフェで、タマちゃんを待っている。
「お金も用意したし、バッチリね」
新札の一万円を茶封筒に入れ、シワにならないようバッグにしまってきた。
タマちゃんは私より十分ほど遅れてカフェに到着したのだが、彼女を見た瞬間、私は度肝を抜かれた。
「ああ、みっちゃーん、遅れてごめんねぇ!」
なんと、タマちゃんは自慢のウェーブヘアを背中に垂らし、真っ赤なワンピースを着ているのだ。
そのワンピースはチャイナ服のようなデザインで、太腿にまで深くスリットが入っていた。
履いているのは真っ黒なピンヒールで、歩くたびに「カツカツ」と派手に床を鳴らしている。
何よりも驚いたのは、香水の匂いだった。
三年前には「たまにつけているんだな」と思っていたが、今日は家中の香水を頭からかぶってきたような、毒々しい匂いを周囲に振りまいている。
「あの、そ、そんなに待ってないから…」
「うっそぉ、かなり待ったでしょう?ああ、それで、一万円持ってきた?」
三年前と変わらない美貌を持っているのだから、もうちょっと地味なファッションでいいのにとも思うが、早く解放されたい私は、急いでバッグから一万円を取り出してタマちゃんの方へと滑らせる。
「オッケー、確認したわ。じゃあ、話してくれる?みっちゃんと、彼氏君のこと?」
「…本当に、お金取るんだね」
「だってしょうがなかったのよ」
話によると、タマちゃんは三年前に転職したが、上司と意見が合わなくて、僅か三ヶ月ももたずに辞めているとのことだ。
だから、今は持ち金がなくて、「どこからお金を取るか」に心血を注いでいるのだそうだ。
そんな事情があるのなら、電話なんてするんじゃなかったと、私は過去の自分を呪う。
「聞いてよ、あの上司ったらさぁ、ホントにうるさかったの。残業するなとか…偉そうに。私が残業しなかったら、誰が仕事を回すんだって話だったのよ」
タマちゃんは、タマちゃんなりに頑張ったんだろう。
一人残って残業したり、帰れなくてホテルに連泊していたり、仕事中に転職活動していたり、遅刻と無断欠勤を繰り返したり。
『この人、今までどんな人生送ってきたんだろう?』
私はそんな疑問を心に抱くが、タマちゃんの舌は絶好調だった。
会社の悪口、社長の無関心、上司の無能さ、すべてが気に入らないときたもんだ。
『じゃあ、あなたの理想とする会社って、どこにあるの?』
もはや恋愛相談のことなんて、すっかり脳内から吹き飛んでいそうなタマちゃん。
「ねぇ、聞いてた?みっちゃんに頼みがあるんだってば」
「え、頼み?」
「そう。お願いしていいかな、私のリファレンス?」
リファレンスとは、要するに前職照会である。
転職先の企業が元の職場に連絡して、内定候補者がどんな勤務状態なのかを確認する手続きである。
「リファレンスって、前職に照会かけるんでしょ?タマちゃんの前職って、うちの会社じゃないよね?」
タマちゃんは今無職。
それなら、彼女にとっての前職は、三ヶ月ほどお世話になった外資の会社ということになる。
私ははっきり言って関係ないのだ。
「ああ、うん…でもまあ、三ヶ月って職歴にカウントされないし。だからさ、みっちゃんに…」
「三ヶ月は職歴にカウントされない」なんて話、私は聞いたことがない。
タマちゃんは「お願いしてもいい?」と言いたかったのだろうが、私はこう口にした。
「リファレンスに協力して欲しいなら、お金を払ってくれる?」
私は単なる元同僚であり、彼女の上司だったわけではない。
身の丈に合わないことを頼まれてお金を要求するのは、ある意味当然だとも思った。
「な、何ですって?みっちゃん、友達だと思ったのに!」
だが、タマちゃんは本当にリファレンスで困っているようで、私があげた一万円を、そのままそっくり返してきた。
「一万円払うので、お願いします!」
それから更に数日が経過した頃。
会社の昼休み中に、私のスマホが着信音を鳴らした。
画面を見れば、知らない番号が表示されている。
「ふぅ、とうとう来たか…」
今日はタマちゃんのリファレンスに協力する日であるが、お金をもらっている以上、知っていることは全て話すつもりだ。
この日はリクルーティングエージェントの、野中さんという男性と話すことになっている。
タマちゃんの、うちの会社での勤務態度を主に聞きたいそうで、このリファレンスをクリアすると、彼女は野中さんから仕事を紹介してもらえるらしい。
「ええと、北川道子さんのお電話、でよろしいですか?」
聞こえてきたのは、落ち着いた男性の声。
思っていたよりも若い人なんだなと、私はちょっと安心した。
「はい。下井珠江さんの、リファレンスですよね?
「そうです、そうです。今、少しお時間よろしいですか?」
大丈夫です、と私が答えると、野中さんはスラスラと質問をしてきた。
「まず、下井さんですが…毎日、真面目に出社されていましたか?」
「え…?」
こんなことを聞くのかと、私は目を丸くした。
前職照会ならきっと前職での仕事内容ばかりを聞かれるのだろうと思い、私はタマちゃんが当時手がけていた業務内容しか調べていなかったのだ。
だから、必死に記憶を手繰り寄せる。
毎日真面目に出社していたかどうかは、微妙だったような気がする。
今の会社はフレックスタイム制だからわかりにくいのだが、よく彼女に近しい人物が集って「下井さん、また欠勤?」と囁いていたのを思い出した。
「いえ、真面目でしたが、欠勤も多かったかと思います」
「真面目だけど、欠勤が多かった?それは妙な話ですね」
欠勤ではなく有休なら話はわかるがと言われ、私は背筋を伸ばす。
この件についての記憶が、脳内の引き出しの中にあったからだ。
「気が向かないと、会社に行きたくないらしいです」
「はぁ?」
「でも、気が向くと来てました」
「何ですか、それは?」
こうして話してみると、私はいかにタマちゃんのマイナス面に気づかぬふりをしてきたのかが、よくわかった。
野中さんにそう話すと、彼は「そうですか…」と言ったきり、しばし沈黙する。
「下井さんなのですが、実は口だけなんじゃないかと思っていまして」
「はい?」
「我々エージェントに対する態度が酷いんです。『案件があるなら、職場の近くまで紹介しに来い』とか、『年収一千万円以上の案件しか紹介するな』とか。なんだか駒にされている感じがするんです」
そんなことをエージェントに要求していたのかと、私は絶句した。
彼女が私の会社でやっていたのは、お茶くみと電話対応、そして従業員の勤怠管理だけだった。
他に何かやっていなかったのかと人事に聞いても、それだけだと言われ、なんだか納得できなかった。
でも、先日の「恋愛相談したいなら金を払え」という言葉を考えると、そういうことを平気で言いそうな人かもしれないなとも思った。
「この電話…ちゃんと、リファレンスになるんでしょうか?」
「なりますが…完全にマイナス評価になってしまいますね」
「こ、困るんですよ、それだと!私、このために一万円もらっているので!」
「はぁ?」
今度は野中さんが驚く番だった。
ただでさえタマちゃんについて、マイナスな話しか聞けていないのに、私がお金をもらって引き受けているだなんて、これっぽっちも思っていなかったのだろう。
「あの、野中さん…?」
「これ以上何か出てくると、我々としても、下井さんへの仕事の斡旋が難しくなりますが?」
「私を脅しても仕方がないと思います。とにかく私、下井さんとは友達をやめますので!」
野中さんに罪はないが、私は少し乱暴に電話を切った。
そして、もう二度とリファレンスなんてやらないと、心に決めた。
私がリファレンスに失敗したことは、野中さん経由でタマちゃんの知るところとなった。
「どういうことなの、みっちゃん!?お金払ってまで頼んだのに!」
定時に会社を出たところで、私は真っ黄色のワンピースに身を包んだタマちゃんに捕まった。
今日も今日とて香水の匂いが酷く、思わず鼻を手でつまんでしまう。
「お金なら返すわ!私、もう二度とリファレンスに関わりたくない!」
「アンタのせいで私の人生目逆茶じゃないの!どうしてくれんのよ!?」
そこで、私はバッグから封筒を取り出し、タマちゃんの手に無理矢理持たせた。
乱暴に扱われてばかりの新札が、少しシワになってしまっている。
「お金なら返す!もう私のことは放っておいて!」
平凡を絵に描いたような私が、全力で友達と絶交しようとしている。
誰かとの縁を心から切りたいと願うようになるなんて、過去の私からは想像もできない。
「お金の問題じゃないのよ!」
「じゃあ、返して!」
私はタマちゃんから封筒をひったくり、バッグの奥底にしまった。
これで私達の間の金銭問題にカタがついた、その時だった。
「ヘイ、タマ!」
陽気な声が聞こえたかと思うと、ものすごいイケメン外国人がタマちゃんの隣に並んだ。
顔が小さくて彫りが深く、ビー玉のような蒼い目をしていて、本当に綺麗だ。
「クッ…ま、眩しい二人だわ」
派手だなと思っていた黄色のワンピースも、イケメン外国人と並ぶと色褪せて見える。
恐らく、彼のことを意識した洋服選びをしているのだろう。
「ハイ、モリス!彼女ね、私のフレンドの…」
「ああ、ミッチーね?話、聞いてる」
「誰がミッチーだ」と思ったが口にはしなかった。
タマちゃんが私のことを誰にどう話しているか、そんなことはもう知ったこっちゃないからである。
「初めまして、北川道子です。えっと…?」
「モリスっていうのよ、私の彼氏なの」
タマちゃんが誇らしげに言うので、私は一礼してその場から去ろうとした。
だが、背後から腕を掴まれ阻まれる。
「聞いて、みっちゃん!モリスはね、家庭持ちなの!」
「は…?」
「だからぁ、私達、付き合っていても未来がないの!どうしたらいい?」
いい大人が、何を言っているんだと、私は心から腹が立った。
身勝手な理由で無職になっておきながら、私のような善良な市民の心を踏み荒らし、あまつさえリファレンスなんてものまで経験させておきながら、今度は恋愛相談と来たもんだ。
怒っていい場面なのだろうが、私は何だか笑ってしまった。
「はは、ははは!!!」
「みっちゃん…?」
「はぁ、泣きたいほど笑いたくなる…因果応報って、まさにこのことだわ」
きょとんとする家庭持ちのモリス、自分達の未来しか案じていないタマちゃん。
こんなにお似合いのカップルなんて、そうそういないに決まっている。
「恋愛相談したいなら金を払え」
「ッ!?」
「できないなら、二度と私の前に現れないで」
美男美女カップルは、唖然とした表情で、肩で風を切って歩く私を見つめていた。
その夜私はタマちゃんの連絡先を消去し、それから二度と彼女の噂を聞くことはなかった。
(了)




