第26話:腹が減っては戦はできぬ
【登場人物】
・速水小石(はやみこいし。ハンドルネーム:ミコ)
女子高生VTuber。主人公の後輩で、過去に引きこもりだったところを助けられてから配信者のマネージャーの仕事をしてもらう関係。副業で探偵をしている。稲置の容疑を晴らすために行動開始。
・淡野瑞希
主人公の後輩の女子高生。剣道有段者。眼鏡が似合うショートカット。大阪出身で関西弁。稲置の懐刀。阪神タイガースファン。
・氷室稲置
ミコ(小石)のマネージャーだったが無職になったがめでたく再就職した。19歳。高校時代は生徒会長をしていた。料理がそこそこできる。変人をなぜか吸い寄せてしまう人生を送っている。現在警察署で取り調べ中。
「それで小石ちゃん、これからどうするん? あんな風に啖呵切ったわけやけど」
二人で港区の自室に戻ってきた。派手に割れた窓ガラスから吹きすさぶ風に髪の毛を持っていかれそうになりながら、淡野さんは私に聞いてくる。
「そうね、まずは……」
おもむろにNintendo S〇itchを取り出し。
「ダンガン〇ンパをやるわ。推理の基本よね?」
「そうそう、苗〇くんに頼ろうってな……ってそれは違うよ小石ちゃんっ!?」
お、私のボケが初めて淡野さんに刺さったかもしれない。ツッコまれるの気持ち良いかも。
「? 逆転〇判の方が良い?」
「そうそう、まずは霊媒師に頼ろうってな……って異議ありぃーーっ!!」
「相変わらず騒がしいわね、淡野さん」
同じパターンのボケにも飽きずに付き合ってくれる。流石関西人、ベタ漫才はお手の物だ。
「そろそろもっとくだけた感じで呼んでくれてもええんやない? これから嫌でも長いこと一緒にやってくんやし」
「そうね。じゃあミズキングで」
「どっかの長鼻の嘘つきみたいなネーミングセンスはやめえや! あたしはどう見てもゾ〇枠や!」
? どこかの海賊団の話かな?
「キャラ的にはどっちかって言うと〇ミでは?」
「ナ〇は自称すんには勇気いんねん。分かるやろ?」
彼女は自分の主に胸筋の部分を見つめながら、遠い目をしながら言った。
「なんか……ごめん」
「ええんやで。とりあえず飯にしよ」
「そうね。ウーバーでマックたのも」
「じゃああたしはベーコンレタスバーガーセットでよろしゅー」
「……いいけど後で払ってよね?」
「そんな水臭いこと言わんといて―な。ボディーガード料ってことでつけといてえな」
JK剣士がたかってくる。
「まあ確かにこの前は助かったからね。じゃあナゲットも付けとくわ」
「おおきにー。小石ちゃん大好き!」
「ええ。瑞希ちゃん」
何はともあれ、腹が減っては戦はできぬ、だ。




