第17話:魂の抜け殻を探せ
【登場人物】
・氷室稲置
ミコ(小石)のマネージャーだったが無職になったがめでたく再就職した。19歳。高校時代は生徒会長をしていた。料理がそこそこできる。変人をなぜか吸い寄せてしまう人生を送っている。殺人事件の事情聴取を受けることに。
・淡野瑞希
主人公の後輩の女子高生。剣道有段者。眼鏡が似合うショートカット。大阪出身で関西弁。稲置の懐刀。好きな男性のタイプは稲置。刃物を持つと性格が変わる。
・青島慎次
40代の刑事。池袋警察署に勤務している。刑事部捜査第一課所属。仕事が忙しくて中々結婚できないらしい。
「ではその氷室さんが見たという犯行現場でのパソコンの映像は、普段被害者が配信活動をしていた時のものと全く同じだったというわけですな」
「ええ、本人は目の前で倒れてるのにも関わらずです。他の人間が乗っ取ったとしか思えない」
「ノエルちゃんが一人で活動してたとは思えへんし、誰か手伝ってたマネージャーかなんかがおるんや。そいつが何も音沙汰ないっちゅーのがそもそもおかしいんや。もしいるとしたら犯人じゃないにしても、何か知ってるはずや」
パトカーの中で青島刑事から事情聴取を受ける2人。淡野はこういう時でも一切物怖じしない。本当に頼りになるやつだ。
「その件ですが、まだ調査中です。彼女の交友関係を当たっている最中です。月読さん以外で火将さんの友人や家族関係の人を誰かご存知ではないですか?」
「正直僕はまだ彼女と一回しか会ったことがなくて、なんとも」
「あたしもです。何回か話したことはあるけど、誰かと話してる時は大体桜音ちゃんやったかなあ」
火将ノエル。一人でいる時は本を読んでいるか、スマホをいじっていたような気がする。部活は確か、パソコン部だっただろうか。
「もともと交友関係は少ない方、というわけですな。こうなるとあとは家族関係ですが、彼女のご両親は地方住みらしいのです。高校生で一人暮らしなんて今は普通なんですか?」
「普通やあれへんけど、でも実質一人暮らしみたいな家庭の19歳はここにおんで」
「一応母親はそれなりに稼いでるよ。小遣いとかは無いけどな。それに、もし貰ったらそれと引き換えにどんな無茶振りをさせられるか分からないから基本は貰わない。まじで働いたほうがマシ」
氷室麗夜。彼の母親はすぐに息子を玩具にして遊びたがる。そして父親は言うまでもない。
「……なんといいますか、強く生きてください」
刑事に慰められてしまった。俺ってそんなに不幸そうに見えるか?
「とにかくわかりました。配信者なら仕事を手伝っていた人間の情報を秘匿するのは、色々な面倒事を考えたら普通のことでしょう。振出しに戻ったようなものではありますが」
……秘匿するどころか登録者300万人のチャンネルで全国指名手配に自分のマネージャーを仕立て上げる奴もいるけどな。
「……稲置先輩が遠い目をしとる」
淡野は何かを察したようにこちらを心配げに見つめていた。




