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96. 自動修復の効果チェック

 リックの身元保証もしてもらったし、“自動修復”の因子もゲットした。これで、あれこれ手をつける準備はできたね!


 早速、マテリアル・デュプリケーターの稼働実験……といきたいところだけど、その前に因子の効果を確認しておきたいところだ。


「というわけで実験をしたいと思います!」


 屋敷の庭で僕が宣言すると疎らな拍手が起こった。拍手してるのはライナとレイネ、そしてトールさんだ。ルクス、リック、キースさんはポカンとしている。


「いきなり集められたと思ったら……例の“自動修復”の実験か?」


 ポカン組の中では一番早く立ち直ったルクスが呆れた目をして聞いてくる。


「あれ、言ってなかったっけ?」

「聞いてないぞ」


 そうだったかもしれない。ちょっとわくわくして先走っちゃったかも。でも、それならライナたちは何をするのかも知らずに拍手してくれてたのか。ノリがいいね。


「修復?」

「何するの?」


 双子がニコニコ笑顔で聞いてくる。2人は因子操作に興味を持ってくれてるみたいなんだよね。これまでも因子の扱い方について面白い意見をくれたし、今回の実験でも新しい発見をもたらしてくれるかもしれない。


「まぁ、最初はどうでもいいものかな。とりあえず、どんなふうに修復されるか見てみよう」


 最初に用意したのは折れやすい小枝。枝ポキ方式で因子をコピーしていたときの感覚で、ついつい見つけたら拾っちゃうんだよね。ちょうど良いから実験に使おう。


「まずは、最大レベルでやってみようかな」


 剣に付与されてる“自動修復”はレベル7だったけど、すでに強化済みだ。最大の10レベルで小枝に付与した。


「で、この枝を折ります」


 ぐいっと力を入れると、特に不自然なことが起きるでもなく枝はポキンと折れた。まぁ、一旦折れるのは想定内だ。確かめたいのは、そこからどう修復するかだ。


 右手と左手に折れた枝の片方ずつを握って数秒待つ。けれど、変化はない。


「……何も起こらないな?」


 トールさんが呟いた直後だった。


「お……あお……!?」


 両手に強い力を感じる。右手は左に、左手は右に。折れた枝が、お互いにくっつこうとしているみたい。何となく抵抗してみたけど、結構強い力で引き合ってる。徐々に力が強くなって耐えきれなくなった。枝がピタっとくっついたところで引き合う力も消える。


「見た感じ元通りだね」


 くっついた枝をみんなに見せる。各々手にとって同じように試してみた結果、折ってから10秒くらいで修復されることがわかった。修復は切り離されたパーツが集合する形で行われる。謎の力で引き合うけど、それを強引に阻止することはできるみたい。僕には無理だったけど、トールさんは100数えるくらいの間、折れたままの状態を維持することができた。まぁ、維持する意味はないし、ずっと持ったままではいられないから、結局、離さざるを得ないんだけど。


『なんで勝手にくっつくの? どういう仕掛けなの?』


 リックがまるで手品を見たような反応をしている。残念ながら種も仕掛けもないんだよね。なんでと言われても、そういう因子だからとしか答えようがない。


「間に別のものを置いたらどうなる?」

「挟まるー?」


 レイネとライナは早速、疑問に思ったことを口にした。


 たしかに気になるね。なので、試してみる。


 枝を折って、その間に葉っぱを置くとどうなるか試してみた。どうやら最短経路くっつこうとするみたいで、結果として枝は葉っぱを貫いてくっついた。


「壊れた破片が自分の周囲に散らばったら、危なくないか……?」


 葉っぱにあいた穴を見て、ルクスが顔を青くする。枝が引き合う力はかなり強めだ。たしかに、危ないかもしれない。


 けれど、その心配は杞憂だった。条件を変えて何度か試した結果、最短経路でくっつこうとするのは間にはさまったものが薄いときだけということがわかった。布切れくらいでギリギリ、それ以上の厚さになると障害物を迂回する形でくっつくみたい。だから、人が間に挟まって怪我することはないはず。


「どんな距離が離れていてもくっつこうとするなら、手紙の配達くらいできそうだな」


 トールさんが面白そうなことを言った。障害物を完全に避けてくっつくなら、片方を固定していれば、もう片方がそちらに戻ってくることになる。その性質は利用できるかもしれない。


 まぁ、折れて10秒で修復されるから、実際には難しいんだけど。修復のタイミングを任意に設定できないとね。


「折れた状態から修復はできるのか?」


 今度はキースさんが顎をさすりながら言った。因子付与前に壊れていた物が付与後にどうなるかという質問だ。


 これは何となく予想がついている。“浄化作用”は因子付与後の状態を維持しようとするので、自動修復もそうなるんじゃないかな。


 試してみたら、やっぱりそうだった。壊れた状態を維持するので、過去に遡って修復されたりはしない。新たに傷ができたりすると、そこは修復される。


「燃やしたらどうなるんだ? 燃えたらなくなるけど修復されるのか?」


 今度はルクスから面白そうな意見が出た。灰になった状態からでも枝に戻るのか。ちょっと気になるよね。


 やはり、実験。結果、燃焼速度と修復速度が釣り合うと、枝は燃え続けることがわかった。

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