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112. 因子の効果

 獲得した因子は8つ。種類が豊富なのか、被りはなかった。ただ、感情因子も混じっているみたいだね。


 それぞれの効果はこんな感じ。



◆痛覚麻痺◆

痛みに対する感覚が鈍くなる


◆従魔応援◆

従魔を応援すると、対象となった従魔の能力が微増する

上昇量はレベルによる


◆味覚強化◆

味覚が強化され、鋭敏になる

強化率はレベルによる


◆不運◆

自身に起因する行動で、悪い結果を引き寄せやすくなる


◆高貴な煌めき◆

煌めきを強化して、魅力を上昇させる


◆酸味アップ◆

酸っぱくなる

その程度はレベルによる


◆やる気満々◆

感情因子

やる気に満ち溢れた状態


◆激怒◆

感情因子

強い怒り状態



 効果の説明がぼんやりしてる因子もあるけど、使い方がわからないってほどじゃないね。


 一番、使えそうなのは“従魔応援”かな。僕らの商会にはたくさんの従魔がいるからね。能力値の微増っていうのがどの程度かにもよるけど、あって困る能力じゃない。


 わかりやすいのは“酸味アップ”だね。商会での貢献度が一番高い“甘味アップ”の酸っぱさバージョンだ。わざわざ因子を付与してまで酸味を増やした状況ってあまりないかもしれないけど、甘さと酸っぱさのバランスをとったりするときには使えるかもしれない。


 味覚関連といえば、“味覚強化”もそうだ。こちらは食品じゃなくて、食べるほうの感覚を強化するみたい。とはいえ、使えるかどうかは微妙な気もするけど。だって、苦味とか雑味とかも感じ取っちゃうんでしょ? まぁ、料理する側なら持っていると便利なのかも。


 よくわからないのは“高貴な煌めき”だ。“煌めき”ってなんだろう。宝石とかの輝きのことかな? 対象が限定された魅力アップ因子なのかなっていうのが、今のところの印象だ。


 通常因子の残り2つは“痛覚麻痺”と“不運”で、若干マイナス的な響きがある。とはいえ“痛覚麻痺”のほうは一時的に付与する分には痛み止めとして使えるかもしれない。“不運”はストレートにマイナス因子だけど、敵に付与するって使い方もできる。まぁ、効果は劇的ってほどじゃなさそうだから、素直に他の因子を付与したほうが良いかもしれないけど。


 感情因子は2つ。“激怒”はそのままだけど“やる気満々”のほうは少し面白そう。勉強嫌いの子に使ったら、嫌いな勉強もテキパキやるようになるのかな? でも、感情因子は効果時間が短いんだよね。だから、うまく働くかどうか試してみないことにはわからない。


「面白そうな因子が手に入ったね。ものすごく使えそうって感じでもないけど」

「それでも、新しい因子が一気に手に入ったのは悪くないんじゃないか。因子ガチャは積極的にやっていくべきだと思う」


 獲得した因子についてルクスと話す。どっちかというと、因子の評価というよりはガチャの評価になってるけどね。真面目な顔してるけど、彼女がガチャの虜になっているのは隠せていない。


「そんなにガチャを引きたいの」

「だ、だって、楽しいじゃないか!」


 ルクスは顔を真っ赤にしながら、それでも否定はしなかった。

 

「ロイー! 応援、つけてー!」

「従魔、応援するー!」


 ライナとレイネは“従魔応援”が気になっているみたいだ。


「わかったよ。僕も気になるから、あとで検証してみよう」

「「検証するー!」」


 まぁ、検証する必要があるのは、他の因子もなんだけどね。


 でも、その前に……


「もうひとつガチャがあるんだ。それを試してからにしよう」

「そ、そうなのか!」


 ルクスがそわそわしだした。本当にわかりやすいね。


「うん。“ご褒美ガチャ”だって。ご褒美で回せるって説明なんだけど、なぜか最初から1回回せるみたいなんだ」


 恩寵インターフェースをいじりながら、ルクスに答える。


 ん?


 あ、ご褒美履歴っていう項目があるね。ここから、ご褒美を獲得した理由なんかが見られるみたい。


 なになに……“世界にガチャという概念をもたらした”か。


 やっぱり、混沌神様は相当ガチャを気に入ったみたいだ。


 それにしても、ガチャって僕がもたらした概念なの? この世界にもくじ引きみたいなものはありそうだけどなぁ。


 まぁ、いいや。とにかく、引いてみよう。“ご褒美”っていうくらいだから、凄い因子が手に入るんじゃないかな? 期待が高まるね!


「ルクス、引いてみる?」

「うぅ……いや、それはロイが引くべきだ。ご褒美だからな……」


 未練がありそうな表情で、それでもルクスは僕にガチャの権利を譲ってくれた。


 誰が引いても因子を獲得するのは僕なんだけどね。そう言ってもルクスは頑なに僕に引かせようとする。ガチャ好きだからこそ、その権利を奪い取るようなことをしたくないみたい。真面目なルクスらしいよね。


「じゃあ、いくよ」

「ああ!」

「「何が出るかな〜!」」


 真剣な表情のルクスに見守られ、僕はガチャのボタンを押す。ご褒美バージョンだけあって、機械の外見も金ぴかで豪華だ。そして、演出も派手だった。


「なにっ!?」

「おお!」

「「わぁ♪」」


 コロンと転がりでたカプセルは虹色に輝くと、ポンと音を立て弾ける。中から飛び出してきた紙吹雪が舞う中、結果ウィンドウが表示された。



■強化機能ゲット■

・因子加工〈反転〉



 なるほど! ご褒美は因子じゃなくて、機能が強化されるのか!


 どうやら、因子を加工して、効果を反転させることができるみたいだ。これは便利かも。実質的に、今までの因子が倍になったみたいなものじゃない?


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